2007年11月 9日
太鼓の製作、経切太鼓佳境に入る
浅野太鼓の塗装部では、現在、経切(きょうぎり)太鼓の彩色工程が佳境に入っています。経切太鼓とは、真宗大谷派の読経の際に用いられる太鼓で、革面から胴に至るまで華やかな吉祥文様が描かれていることを特徴とします。
製作中の太鼓は、革面・胴ともに全面に金箔を置き、革面には三つ巴と剣紋、胴には雲型を、黒、赤、青(緑)、黄、白の五彩で描いています。目を見張るほどに絢爛なこれらの図柄と色遣いには、実は、日本に仏教を伝えた中国で生まれた太極思想や陰陽五行思想に基づく壮大な願いが込められているのです。
絵師 中まゆみ
● 三つ巴......すべてのものは虚と無の二つの宇宙から構成され、陰と陽から成り立っているという太極思想の見方により、たとえば明暗、肯定と否定、男女など、極限の対立と調和をかたどる二つ巴を原点とする。日本に伝えられた二つ巴は、平安時代に奇数による日本的統制の和を示して三つ巴が完成。以後、三つ巴をアレンジしたさまざまな文様が発展した。
● 剣紋......剣は中国では自然力を超越した強大な力の象徴とされ、日本でも神が降臨する際のよりしろとして崇められた。古事記や日本書紀では草薙神剣(くさなぎのつるぎ)は三種の神器の一つに数えられ、今も端午の節句には欠かせない飾り物となっている。
● 雲......つねに千変万化し、何かの気配を示すもの。龍や鳳凰など瑞祥の周囲に描かれることが多く、また雨を降らせて五穀豊穣を導く象徴でもある。
● 黒、赤、青(緑)、黄、白......陰陽五行思想に基づく、日本におけるもっとも初発的な色彩。青は緑も含む。青は方位では東、季節では春を表し、赤は南と夏、白は西と秋、黒は北と冬を表す。
これらはすべて中国の神話や儒教、仏教に由来するものですが、日本では同じく中国から伝わった仏教と独自の融合を果たし、仏具にも日本独特の華麗な様式美を描くに至ったのです。紋様、色彩の意味を理解すると楽しいです。日本人の文化誇れますね。
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ブログ開設、おめでとうございます。
経切太鼓って、とても綺麗ですね。驚きました。
私達、家族太鼓山本家は、11月18日(日)の舞鶴和太鼓フェスティバルに向けて、稽古に励んでいます。
当日は、小5の娘の誕生日でも有り、娘もいつも以上に力が入っています。
専務に納入していただいた平太鼓。
すでに何度かイベントで打たせていただきました。
専務と、松村先生のアドバイスをいただき購入したおかげで、
本当に気に入っております。
年に1度、毎年11月に行われる舞鶴和太鼓フェスティバル。
太鼓が届いたのが今年の2月でしたから、
和太鼓フェスティバルでは、初めて皆さんの前にお披露目することになります。
1000人ほどのお客様の前で打つ、浅野太鼓の平太鼓。
嬉しくて、気持ちが高ぶります。
心をこめて打ちたいと思います。
炎太鼓さんが大好きで、往復6時間かけて通った50人衆の稽古。
炎太鼓さんと一緒に立てた、エクスタジアの舞台。
今でも心の奥深くまで喜びが残っています。