2007年11月10日
自衛太鼓の練習を見学
自衛隊では毎年、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の合同により、日本武道館で「自衛隊音楽祭り」を開催しています。このイベントでは隊員によるマーチングやドリル演奏、合唱などが一糸乱れぬ統制のもとに演じられますが、中でも大きなよびものとなっているのが、総勢200余名による「自衛太鼓」の演奏です。今年の開催は、11月16・17日の両日。それに先駆け、自衛隊横須賀基地武山駐屯地で行われている太鼓の合同練習を見学してきました。
練習場となっているのは、駐屯地中央にある体育館。北は北海道、南は北熊本まで各本面部隊で練習を重ねてきた隊員207名がここで一堂に会し、2週間にわたって最後の仕上げを行うとのこと。全体の指揮をとる自衛太鼓総合訓練教官・山城リーダー(写真4)の号令のもと、リズムの統一、迅速なばちさばき、刻々と変化するフォーメーションの訓練などが繰り返された後、自衛太鼓名物の「一文字打法,写真1.2.3」の打ち込み稽古が始まりました。「一文字打法」とは文字通り太鼓を一文字に並べ、打ち手が順次、渡り打ちをして進んでいくという打法です。1列およそ50mの太鼓の列が3列。これを207名の打ち手がツバメ返しも鮮やかに整然と打ち進んでいく光景は、まさに壮観の一言。圧倒されるほどの躍動美と太鼓の大音響に包まれながら、40年前、北海道の登別温泉で、今は亡き大場一刀氏の太鼓を初めて拝聴した時のことを思い出しました。
大場氏は北海太鼓の創始者で、当時、太鼓を静止して打つ、抱えて打つ、という打法が主流だった中、横に移動して打つという画期的な打法を編み出した人物です。氏は打法の革新だけでなく、ビクターから太鼓演奏のLP盤を発売したり、映画に出演するなど異色のキャラクターを発揮し、後にも先にもオンリーワン、日本の太鼓に大きな影響を与えました。その大場氏から北海太鼓の技を直伝されたのが、目の前にいる山城教官です。太鼓によって結ばれた人と人との絆を思い、胸が熱くなったひと時でした。
自衛太鼓が「自衛隊音楽祭り」に参加するのは今年で37回目。彼らにしかできない、彼らにしか演じられない太鼓演奏。これまで多くの太鼓を見てきた私ですが、さらに練り上げられた自衛太鼓が披露される本番の日が待ち遠しい今日このごろです。
1.一文字打法
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2.一文字打法
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3.一文字打法 |
4.山城リーダー |
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