2008年1月29日
地域を愛する太鼓の響き
1月26日土曜日、高知県の土佐和太鼓文化研究所『一響館』が主催する和太鼓コンクールに審査員長として招かれました。出場したのは、青少年の部に14団体、一般の部に11団体の計25団体。演奏が終わり、それぞれの団体の皆さんが一様に口にするのは「太鼓が上手くなるよりも、太鼓で自分の住む地域を元気にしたい」という言葉。そういえば、このコンクールを主催している『一響館』の設立趣旨は「交流親睦、切磋琢磨、社会貢献、地域づくり」でした。代表の明神宏和先生は、もとは中学の校長先生を務められ、およそ50年にわたって高知県の生涯学習指導に携わってこられた徳の高い人物。太鼓を通して、先生の教えがしっかりと土佐の人々に伝えられていることに感動しつつ、太鼓の力と可能性をあらためて感じた一日でした。
2008年1月21日
2組の太鼓に現代の太鼓の多様化を見る
東の空が朝焼けの淡いオレンジ色に染まり、肌を刺すような寒気が背筋をピンと伸ばしてくれる。この世に生を受けてから61年目の朝。久方ぶりの快晴の夜明けから、また私の新しい一年が始まりました。
さて、昨日の日曜日は、10時の開店とともに千客万来。遠方からのお客様が相次いで来社されました。姫路市東山棒締会の35名様ご一行は、片山津温泉での「灘のけんかまつり」慰労会の帰途。店頭での賑やかなやりとりに、伝統ある祭りに男の意地をかける人々の意気込みを間近に感じ、大いに元気をいただきました。
一方、愛知県の和祝太鼓(写真1)の皆さんは、平松さんを代表とする9名様ご一行。名古屋芸大の卒業生を中心に活動する太鼓グループで、太鼓を使った新しい音楽づくりを模索しているとのこと。皆さんの真剣なまなざしがとても印象的でした。
伝統の太鼓を守る人々と、若い感性で未知の音づくりを目ざす人々。そのどちらもが現代の和太鼓の現状であり、次世代への太鼓の語り部と言えるでしょう。時代の流れとともに限りなく多様化している太鼓の現状を、あらためて実感した一日でした。
(写真1)
2008年1月15日
丹波からの風に心躍らせる
毎年、年始に顔を見せてくださる兵庫の氷ノ川太鼓さんが、この連休にご一同おそろいで来社されました。相変わらずご闊達な代表の松本さんはじめ、メンバーの皆さんとあれこれ四方山話に花を咲かせる中で、このほど地元に巨大な草食恐竜の骨格化石が出土したことをうかがいました。
思えば氷ノ川太鼓が拠点とする丹波地方は、近年ベストセラーとなった加藤廣著の「信長の棺」にもその地名を見せている地。古くから隧道掘削技術が発達し、また豊臣秀吉の親の出生の地でもあり、信長が暗殺された「本能寺の変」にも何がしかの関わりがあったとか。「信長の棺」には、本能寺の変の時に安土に在城していた信長の家臣・太田牛一なる奉行が、変の直後に、なんとここ加賀の国松任に遁走したという記述もあります。松任とも縁のあるそうした歴史深い地に、さらに数十万年前に地球を闊歩していた恐竜が住んでいたとは、いかにも壮大なロマンを感じさせます。
これまでに発掘された化石はまだ全体の一部分ということですが、完全に発掘・復元されれば全長約30m、世界最大の恐竜化石が出現すると予測されているとのこと。「丹波リュウ」名づけられたその巨大リュウに会いに、ゆっくりと丹波を旅したいと、たわいもない夢を馳せたひと時でした。
2008年1月 4日
太鼓の里に初音響く
新年おめでとうございます。2008年が始まりました。
練習場では昨年の12月30日から今日までの6日間、昨年4尺3寸の大太鼓を購入された佐藤健作さんが1月19日のコンサートに向けて打ち込みの稽古に励み、元旦から気持ちの良い初音が太鼓の里に響きました。年末年始も休むことなく、真摯に太鼓に向かう佐藤さんの姿に胸を打たれつつ、迎えた新年でした。
そして4日は、例年のごとく社員全員で白山ひめ神社に初詣。この一年、どうか無事に過ごせますように。ただその一事だけを深く願い、心をこめて参拝したひと時でした。
浅野太鼓は7日から営業いたします。太鼓のもつ力を精いっぱい皆さまにお届けするために今年も頑張りますので、どうか昨年に引き続き、ご愛顧、お引き立てのほどを、よろしくお願い申し上げます。