2008年5月27日
新見高校芸術鑑賞公演
先週の金曜日23日、岡山県新見市の新見高校で教鞭をとっておられる坂手先生のご推薦で、同校の芸術鑑賞公演にお招きをいただきました。
新見市にお邪魔するのは二度目のことで、久し振りにお会いした「ゆずりは太鼓」代表の中西さんに街の様子などお聞きする中で、新見の名産は白い物と黒い物という、なぞかけのようなご説明。「?」と首をかしげていると、白い物とは石灰のことで、セメントや歯磨き粉の基幹材料になるとのこと。一方の黒い物とは炭とブランド牛「千屋牛」のことで、牛なら太鼓とも縁が深いというもの。いっそう新見が身近な存在に思えてきました。
公演の会場となったのは、数年前にオープンしたばかりの「まなび広場にいみ」文化交流館大ホール」。その素晴らしい音響に恵まれ、炎太鼓の演奏と私のつたない講話、またステージの上でのワークショップでは生徒さんたちが積極的に太鼓の輪に参加し、舞台を盛り上げてくださいました。
あっという間の楽しい3時間。元気いっぱいの生徒さんたちに太鼓を知ってもらう機会をつくってくださった坂手仁美先生と、そして太鼓を楽しんでくださった新見高校全校生徒の皆さん、心より御礼を申し上げます。ありがとうございました。
(写真1)ゆずりは太鼓代表 中西さん・新見高校 坂手先生とともに
2008年5月21日
北の大地で、この道一筋の太鼓打ちと再会
(写真1)洞爺湖の眺め1
去る11日、「北海道洞爺湖サミット開催記念」と銘打って「第8回 響きの祭典in洞爺湖」が開催されました。主催は国際太鼓道連盟。出演したのは、洞爺湖のある北海道南西部一帯で活躍する13の太鼓団体と、民謡、邦楽、武道の3団体。久し振りに懐かしい皆さんと再会を果たす中で、とくに国際太鼓道連盟の大黒柱であり、北海太鼓の創立メンバーでもある坂井さんとの再会には、ひとしおの感慨がありました。
北海太鼓は、今から40年近く前、今は亡き大場一刀氏を中心に登別で結成されました。大場氏は歯科医の長男でしたが、家業を継がずに、日本で最初のプロの太鼓打ちになった人。太鼓を打つだけでなく、歌もプロ級以上で、昭和30年代に太鼓と歌を収録したLPレコードをビクターから売り出した時は、まだ20代の私は本当に驚かされたものです。義理人情に篤く、男気がある大場氏は、登別まで太鼓の張り替えに向かった私をいつも駅まで迎えに来てくれました。その時に乗っていたのが、クラウンハードトップ。まだ自家用車の少ない時代、肩に背広を羽織り、さっそうとハードトップで乗りつけてくる大場氏のカッコ良さは、今も強烈な思い出として胸の奥に焼きついています。また登別の名旅館、第一滝本館での太鼓演奏や、テレビの『笑点』への出演などで、太鼓が世に出る大きなきっかけをつくった人でもあります。もちろん大場氏作曲の「北海太鼓」は今も名曲として受け継がれ、北海道の太鼓団体のバイブルのような存在になっています。
坂井さんは、その大場氏がもっとも頼りにしていた人で、大場氏亡き後もバチを握り続けて北海太鼓を指導してきました。今は子供たちに空手を教える一方、太鼓打ちとしてはなおも現役で、毎夜、洞爺湖パークホテルのステージで3尺3寸の大太鼓を打ち鳴らしているとのこと。坂井さん、長い間本当にお疲れ様です。そしてこれからもますますお元気でご活躍を 。
(写真2)洞爺湖の眺め2
(写真2)洞爺湖越しに臨む羊蹄山の眺め
2008年5月 9日
江別にて
去る5日、北海道江別市で活躍する『山口太鼓流北海若衆太鼓』の20周年記念公演(写真1、2代表竹内廣美氏)にお邪魔しました。北海若衆太鼓は、岩手県宮古市で1972年(昭和47)に結成された『山口太鼓』宗家の妹さんが江別に嫁入りされたのをご縁に、山口太鼓の北海道支部として結成されました。当初は太鼓も練習場もなく、あるのは太鼓が好きで集まったメンバーの情熱と、山口太鼓からのれん分けされた独特の打ち込みの型だけだったといいますが、それがかえってメンバーの心意気を燃え上がらせ、今では北海道太鼓界の中心的な存在となっています。また地域の行事や青少年の健全育成にも積極的に参加し、地域にとってもなくてはならない太鼓となっているようです。
記念公演はそうした北海若衆太鼓の節目の舞台にふさわしく、結成当時から演奏している伝統の曲あり、この日のために創作した新曲あり。ロビーには、演奏する15曲について「こういう所を見て下さい! こんな思いを込めて演奏しています」と書いた大きな紙(写真3)が貼り出され、大人・子供合わせて28人のメンバーがそれぞれの演目にかける思いを熱く綴っていたのが、とても印象的でした。また、室蘭市が管理する北海道最大の大太鼓「カムイ」が、関係者の厚意で舞台中央にデンと鎮座していたことや、太鼓を社員教育の一環として北海若衆太鼓の指導を受けている地元和菓子店の皆さんがロビーで和菓子を販売していたのも、ほほえましい光景。山口太鼓宗家佐々木清会長(写真4)とも久方ぶりの再会を果たし、まだ寒さの残る北海道での心あたたまる一日でした。
(写真1) 『山口太鼓流北海若衆太鼓』の20周年記念公演
(写真2)『山口太鼓流北海若衆太鼓』の代表 竹内廣美氏
(写真3) 思いを書き綴った大きな紙
(写真4) 山口太鼓宗家佐々木清会長
2008年5月 7日
若葉薫る5月のはじまり
5月1日は八十八夜でした。立春から数えて八十八日目にあたるこの日は、唱歌『茶摘み』に「夏も近づく八十八夜 (中略) あれに見えるは茶摘みじゃないか」と歌われるように、茶畑では茶摘みが始まり、農家では種まき、田植えと、忙しい農作業が始まります。穀倉地帯であるここ松任も、田植えを間近にして田んぼにたっぷりと水がひかれ、ちょっとした水郷の風景。夜ともなれば外灯の明かりが点々と水田に映り、なんともロマンチックな風情となります。都会の派手な夜景とはひと味違う、心が癒されるような清楚な夜景です。
そして迎えたゴールデンウィーク。財団法人浅野太鼓文化研究所では「ゴールデン太鼓ウィーク」と題して、3日から5日まで、太鼓のワークショップとコンサートを行いました。ワークショップは炎太鼓木下千恵子の『締太鼓教室』、三宅島から津村明男さんと3人の息子さんを迎えての『三宅太鼓教室』、元鼓童メンバーの金子竜太郎さんを迎えての『チャッパ教室』をそれぞれ2講座。津村さん親子と金子さんにはコンサートにも出演していただき、正調三宅太鼓の様式美と、金子さんらしい太鼓のグルーブ感をたっぷりと楽しませていただきました。
ワークショップもコンサートも、県内だけでなく、新潟、富山、福井、長野岐阜、愛知、静岡、東京、大阪、兵庫、香川からお越しになった参加者・観覧者もおられ、太鼓を通じてまた人の輪が広がった4日間でした。皆さん、本当にお疲れさまでした。そして、ありがとうございました。