最近のブログ記事

検 索

リンク集

タグクラウド

月別アーカイブ

2009年1月27日

積雪の高知で心あたたまる一日


 24日、高知県中土佐町で、土佐和太鼓文化研究所「一響館」の主催による第3回和太鼓コンクールが行われました。今年は「一響館」の発足10周年ということもあり、会場となった大野見体育館は例年にも増して活気がみなぎっていました。「一響館」は、もと中学校の校長先生で50年以上にわたって地域の生涯学習指導にたずさわってこられた明神宏和先生が、子供からお年寄りまですべての人が楽しみながら心身両面の健全育成に役立つ和太鼓を高知一帯へ拡大することを願って設立。3年前からは「一響館」に集う太鼓団体の演奏力向上と親睦を兼ねて毎年1回コンクールも開催し、今では地域ぐるみの行事として定着しつつあります。

 今回のコンクールには、少年の部に13団体、一般(成人)の部に14団体が参加。どのチームも昨年にくらべてしっかり力をつけてきた中、とくに大野見北小学校の児童で構成された「北っ子太鼓」の上達ぶりには驚かされました。この学校、実は今年3月で廃校になるため、最後の思い出づくりにと昨年の第7回東京国際和太鼓コンテストに応募。惜しくも受賞は逃したものの、全校生徒11人で懸命に演奏する姿がとても印象に残っていたのでした。再会した子供たちが言うには、あの時は東京の大舞台に臨んで手にマメをつくりながら練習。だんだんマメがふえて、最後には全員でマメの数を自慢しあうほどになったとか。それでも圧倒的なレベルの差を見せつけられたのが悔しくて、今回のコンクール前には足にもマメをつくって練習に打ち込んだそうです。一つのことに全員が一致団結して取り組むようになったり、消極的だった子が進んで人前で話すようになったのも大きな副産物だったと森田美智恵先生。これも太鼓の効用でしょう。

 今年のお世話役として何くれと心遣いをくださった大野見源流太鼓の皆さん、竹や田植え定規を上手に利用して飾りつけられた素朴な舞台、総勢80人の打ち上げの席に用意された源流太鼓のお母さんたちとボランティア団体「読遊会」の皆さんによる手料理も味わい深く、珍しく積雪のあった高知で、心は春のようにほのぼのとあたたかい一日でした。

北っ子太鼓
北っ子太鼓

大野見源流大鼓の皆さんと
大野見源流大鼓の皆さんと

| コメント(1) | トラックバック(0)

2009年1月17日

元気と勇気をもらった新春の旅


 当財団で発刊している「たいころじい」第33巻ですでにご紹介したように、長崎で活動している「勤労障がい者長崎打楽団 瑞宝太鼓」が昨年度の「第30回サントリー地域文化賞」表彰を受けました。1月12日、同賞と平成20年長崎県民表彰特別賞の受賞を記念し、雲仙市で瑞宝太鼓のコンサートが行われました。二つの賞ともに、知的障害というハンディがありながらプロの太鼓集団として地域の発展に貢献したことが評価されたもので、コンサートには日ごろから彼らを応援するたくさんの人々が詰めかけました。

 瑞宝太鼓の演奏を聴いたのは久し振りでしたが、一打一打に芯のあるきっちりした打ち込みはまさに和太鼓の本流ともいえるもので、結成から十数年、「よくぞここまで成長したことよ」と胸が熱くなりました。陰になり日向になってここまで彼らを指導してきた福岡心治郎さん、親鳥のように彼らを見守ってきた岩永和昭さん、そして精神的なバックボーンとなって彼らを支えてきた田島理事長さんはじめスタッフの皆さん、本当にご苦労様でした。瑞宝太鼓の血のにじむような努力と、彼らを取り巻く皆さんの情熱にあらためて心からの敬意を抱くとともに、ますますの活躍を祈った舞台でした。

 翌13日は、大分の久住町を拠点とするプロ集団「TAO」の藤高代表と東京で再会。結成から15年を経たTAOの近年の活躍ぶりにはめざましいものがあり、ことに2004年、世界最大の芸術祭「エディンバラ・フリンジ・フェスティバル」で大成功をおさめてからは、世界を舞台にしたエンターテインメント集団として海外からも盛んに注目されています。TAOのステージの最大の特徴はエネルギーにあふれた躍動的な演奏で、その燃え上がるような空気感の熱さは、そのまま藤高氏の信念の熱さでもあります。TAOを一つの企業として法人化し、ひたすらその発展と繁栄を追求する姿勢は潔いほどに明確で、何があってもブレることのない意志の強さを感じます。昨年以来の急激な不況により、会社経営について何かと迷いの多いこのごろ、藤高氏との語らいは私に新たな元気と勇気をくれました。よし、まだまだ頑張るぞ!

瑞宝太鼓
瑞宝太鼓

岩永さん、スタッフのみなさん
岩永さん、スタッフのみなさん

TAO
TAO

| コメント(0) | トラックバック(0)

2009年1月 1日

一年の始まりに幸あり


新年おめでとうございます。

 新しい年がやってきました。久し振りに集まった家族と賑やかに新年を迎えた人、温泉でのんびりとお屠蘇をいただいた人、正月返上で仕事に汗を流した人、それぞれにその人らしいお正月を過ごされたことと思います。

 私は還暦後厄の神社総代として大晦日から元旦にかけて自宅近くの氏神社に詰め、早朝6時、宮司さんによる厄払いのお祓いを受けて新年を迎えました。折しもはらはらと新雪が舞い降り、身も心も真っ白に清められた心地でした。

 昨年秋以降の急速な金融不安の影響で、年末年始といえども世の中は明るいニュースばかりでなく、半年後の予測さえおぼつかない状況ですが、今年は我が社の創業400周年の年。例年以上にしっかり臍を固めて事に当たることを誓った元旦の朝でした。

 神社から引き上げ、午後は加賀の山代温泉へ湯浴みに。厄を落としたお陰か、ここでほのぼのした光景に出会いました。ちょうど浴室では高校生ぐらいの一団が賑やかに湯を浴びていました。会話の様子から察すると、武道クラブの部員たちのようです。そのうちの数人が私と入れ替わりに湯から上がっていったのですが、その去り際の見事なこと。使った湯桶と椅子をシャワーで流し、椅子に湯桶を伏せて立てかけ、シャンプーと石けんをそろえ、周囲を整然と整えてから脱衣所に向かったのです。その後私も湯から上がり、まだ浴室に残っている子供たちの脱衣カゴに何気なく目をやると、どのカゴの浴衣もシワ一つなくきちんとたたんであるのです。銭湯好きの私は時間をみつけてはあちこちの湯に入るのですが、掛け湯もせずにいきなり浴槽に踏み込む人や、平気でタオルを浴槽に持ち込む人など、入浴マナーの悪い人が多いのを日ごろから苦々しく思っていました。それにひきかえ、この子供たちは親の躾が良いのか指導者が素晴らしいのか。よく大人たちは「近ごろの若い者は」と若者をそしりますが、なかなかどうして、近ごろの若い者も捨てたものではないようです。

 夕刻には思いがけない大口の見積も舞い込み、まことに幸先の佳い一年の始まりとなりました。どうか、すべての人に幸多き一年となりますよう。

| コメント(0) | トラックバック(0)