2009年8月15日
暑さの中で、心も熱く
今日は64回目の終戦の日。戦後生まれの私には本当の意味での戦争の悲惨さはわかっていないかもしれませんが、戦争によって得られるものなど何一つないことだけはよくわかります。64年前、愚かな戦争によって尊い命を奪われた多くの人々に心からの追悼の意を捧げるとともに、平和のありがたさをあらためて実感した一日でした。
さて、二度と戦争をしないと誓った国同士の小さな親善の一例と言えるでしょうか、7月中旬から8月10日まで、二人のスイス人が浅野太鼓で太鼓の稽古に汗を流して行かれました。一人は女性で、学校の先生をしているシビレさん。もう一人は男性で、ダンスパフォーマーでもあるパピリッツォさん。大の日本贔屓、和太鼓贔屓のお二人は、7年前にも訪日。その時とは見違えるほどに太鼓の腕前も上達し、つきっきりで指導にあたった焱太鼓の地下も、いつにも増して張り切っていたようです。滞在中は節約、節約を心がけていた二人ですが、最後の日には「最高のぜいたく」と満面の笑みで桶胴太鼓を買い求め、固く再会を約束して帰国されました。今ごろは地球の反対側で陽気に太鼓をたたいている二人の姿を想像すると、そのバイタリティに圧倒されるばかりです。
バイタリティといえばもう一つ、今月初め、北海道に本拠を置く企業に6尺7寸の大平太鼓の納品にお邪魔しましたが、その会社の社長さんの志の高さに、いたく感銘を受けました。企業の経営発展と業態拡大のために高い目標を掲げ、なんと広い視野をもってまっすぐに努力されていることか。「個」を超えた、まさに「企業人」としてのその姿勢に、限りないバイタリティとチャレンジ精神を感じたものでした。二年前に還暦を迎え、今後の後継について何かと思い惑うことも多い今日このごろ、この二つのの出会いは私の心に新たな風を吹き込んでくれたように思います。
(6尺7寸の大平太鼓)
最後にもう一つ嬉しいできごとを。8月7日から北米で「太鼓カンファレンス」が開催され、若い社員を参加させました。その最終日、思いがけなくも事務局から我が社の創業400年を祝福する表彰をいただいたのです。石川県白山市という地方都市で細々と太鼓づくりを営む浅野太鼓が、アメリカの「太鼓カンファレンス」という大きな集いの場にしっかり認識されていたことは、この上ない喜びです。表彰に恥じぬよう、これからも邁進いたしますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
(創業400年を祝福する表彰)