2009年12月28日
どうか良い年末年始を
今日は我が社の仕事納め。朝から社員総出で煤払いを行い、午後2時からの納会で手締めをして一年の業務を終了します。社員の皆さん、一年間、本当にご苦労様でした。
その社員同士の社内結婚というめでたい出来事で幕を開けたこの12月、後半も何かと嬉しいことが続き、明るい気持ちで年末を迎えることができたのは、何よりの喜びです。
まず19日、ヒダノ修一さんの20周年記念公演で、20年にわたる研鑽の舞台を堪能。翌20日は鼓童の12月公演にお邪魔し、和太鼓の本筋をきちんとおさえた丹精な舞台に、身体性と音楽との美しい相関関係をあらためて目にした思いでした。
23日は大分を拠点とするTAOの東京国際フォーラム公演。こちらは鼓童とは対照的に、和太鼓の概念を打ち破るような奔放な演出で、舞台での表現の方法論に新たな可能性を実感させるものでした。いろいろな太鼓チームがこのようにいろんな手法をみつけ、互いに切磋琢磨しながらさらに和太鼓芸能を発展させていってくれるよう願うばかりです。
26日、地元白山市の青少年チーム・サスケの初コンサート。太鼓を始めて15年、サスケ結成から7年。焱太鼓の山田瑞恵の指導のもと、コンサートに向けてここ数ヶ月の間ひたむきに稽古を重ねた頑張りを目にしていただけに、その成果が表れた舞台には、思わず目尻が下がってしまいしました。メンバーの皆さん、お疲れ様でした。
そして最後に飛び込んできた嬉しいニュース。山本寛斎さんが「2009年空間デザイン賞」を受賞されたとのこと。寛斎さんにはこれまで「アボルダージュ」や「太陽の船」などたくさんのスーパーショーに太鼓で参加させていただきました。今回の受賞は、それらのスーパーショーの功績に対して贈られたということで、その一端にでもかかわらせていただいたことを、あらためて誇りに思います。寛斎さん、心よりお祝いいたします。
さて、振り返れば今年一年、本当にたくさんのことがありました。中でも創業400周年記念事業では本当に多くの方々からお祝いとお励ましをいただき、また社員も一丸となって事業を盛り上げてくれ、お陰様で先祖に顔向けのできる催しとなりました。これもひとえに皆さまのご愛顧の賜と、深く御礼を申し上げます。
来年の干支は寅。一日で千里の道を往復するといわれる虎の勢いを見習いながらも、しっかりと地に足をつけた商いに精進してまいりまずので、どうか新年も引き続きのお引き立てを、どうぞよろしくお願いいたします。
では皆さま、どうか良い年末年始をお迎えください。
2009年12月 9日
「山祭り」で神々に感謝
昨夜は草月ホールで「太鼓集団天邪鬼」の「伝統のひびき」公演。さすが熟練の見事な打芸を見せていただき、余韻を胸に響かせながら夜行寝台列車で帰途につきました。ガタンゴトンと列車に揺られながら、思い出したのは今から30年近く前のこと。現社長の恭央が中学3年のころ、二人でドイツ・フランクフルトの見本市(メッセ)に出張。現地で組み上げた6尺の桶胴太鼓をサークル・アンサンブルに買っていただき、帰り道は夜行列車でフランクフルトからパリへ。国境を越えるたびにバスポートの提示を求められ、明け方ようやくパリに着いた時は、馴れない夜汽車の旅に二人とも体がカチカチに固まっていたものでした。その恭央も社長に就任してまもなく10年。今年は42歳の厄年にあたり、つい先日厄払いの「初老祝い」を済ませたところ。あの中学生の恭央がと思うと、感慨深いものがこみ上げてきました。
午前6時30分に金沢駅に到着。まっすぐ会社に向かい、8時過ぎに白山比咩神社に出発。今日は年に一度の「山祭り」の日。木にたずさわる職業の人が山の神様、木の神様に感謝を捧げる祭りで、社員一同つつしんで神前に手を合わせました。つい数年前までは、山祭りには建築会社や木地師などたくさんの人が参拝に来ていましたが、昨今の不況のせいもあってか、今年は我が社のほか1社、それも代表者1人のみ。我が社も決して業績芳しいわけではありませんが、ともかくこうして全員そろってお参りできるのは何よりも有難いこと。山の神、木の神、そして商いの神様に心からの感謝を捧げ、ますます太鼓づくりに精励してまいりますので、どうか引き続きのご愛顧をよろしくお願いいたします。
2009年12月 2日
師走入りに嬉しい出来事
いよいよ師走に入ったものの、12月とは思えない暖かさ。過ごしやすいのは有難いけれど、これも「地球の温暖化」の表れかと思うと、将来の環境異変に一抹の不安を覚える今日このごろです。
さて、師走を前にした11月27日から29日まで、高知で「エンジン01(ゼロワン)文化戦略会議」による「オープンカレッジin高知」が開催されました。
エンジン01文化戦略会議は、各分野の表現者・思考者たちが日本文化のさらなる深まりと広がりを目的に参集したボランティア集団で、2009年度オープンカレッジの大会委員長が林真理子氏、実行委員長に和田秀樹氏、実行委員に秋元康氏、浅葉克己氏ほかそうそうたる顔ぶれ。山本寛斎氏も委員の一人で、28日、寛斎さんのプロデュースで「太陽の船」高知バージョンが上演されました。獅子の気球と、地元の太鼓グループ「一響館 侍」の太鼓との共演でカレッジはいっそう盛り上がり、侍の逞しい演奏ぶりに大きな拍手が送られました。
そして突入した12月、昨1日は月に一度の全社朝礼。明年4月4日に第1回を開催する「浅野太鼓 楽市楽座」に向けて、ワークショップや物販コーナーに並べる小物の発表会も合わせて行いました。社員それぞれがアイディアを駆使して試作した小物は30点余り。仕事の合間に太鼓の廃材を利用して仕上げた工夫の品は、どれも驚くほど見事な出来栄え。中には「あの社員がこれを?」と思うような意外な逸品もあり、楽市楽座のキャッチフレーズ「新しい自分探し」という言葉がそのまま社員にもあてはまっていることを実感しました。4月までにはさらに品質を高めてご来場の皆さんをお待ちしているので、どうぞお楽しみに。
同じ日、読売新聞2面の「顔」のコーナーに、岐阜県恵那市で活動している太鼓奏者、加藤拓三さんが紹介されていました。加藤さんは昨年の東京国際和太鼓コンテスト大太鼓部門で最優秀賞を獲得した青年で、今年1月、「年内1000軒」の目標を掲げて太鼓の門付けライブをスタート。ついに11月26日に目標を達成し、掲載された写真は喜びが爆発したような表情。加藤さんのまっすぐな頑張りに心からの拍手を贈るとともに、社会的に注目を集める"時の人"「が取り上げられるコーナーに太鼓奏者が登場したことにひとしおの嬉しさを感じた出来事でした。