2010年4月13日
花咲き、花散るころ
兼六園の桜が満開を迎えた8日、うららかな陽気とはうらはらに悲しい知らせが飛び込んできました。山形県酒田市の太鼓道場「風の会」の前代表・進藤喜一郎さんの訃報でした。「山形にこの人あり」と言われ、長く太鼓界に貢献された進藤さんに最後にお目にかかったのは、今年2月の大江戸助六太鼓新年会。盛り上がる宴の中締めに、よく通る声で訥々と結んだ挨拶と手締めの見事なこと。訃報を受けた瞬間、その時の進藤さんの東北人らしい実直さと律儀さが鮮やかに記憶によみがえりました。進藤さん、どうか安らかにお眠りください。心からご冥福をお祈りいたします。
その週末、10日、11日は、毎年恒例の「成田太鼓祭」。千葉県成田市の成田山新勝寺境内と参道を会場に、全国から集まった太鼓団体が二日間にわたってライブ演奏するイベントは、今ではすっかり成田の春の風物詩になっているようです。今年もたくさんの太鼓打ちが参加する喜びを全身で表現していましたが、スタートから10年目、どことなくマンネリ化の傾向もあり、継続していくことの難しさを感じました。私もこれからの課題として、真剣に考えていきたいと思います。
(成田山太鼓祭りにて)
その足で、愛媛県宇和島市へ。「伊吹龍心太鼓」35周年記念と、その中核にいて昨年他界された藤原泰英さんをしのぶ会を兼ねた公演は、藤原さんの弟子8チームが出演。追悼公演らしく藤原さんを思い、涙、涙の一幕もありましたが、心あたたまる雰囲気が居心地よく、打ち手と観客のこうした一体感こそ故人の望んでいたことではなかったかと胸が熱くなるのでした。藤原さん、志はしっかり受け継がれているようですよ。よかったですね。
(伊吹龍心太鼓コンサート)
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