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2010年5月31日

藤田先生をしのぶ

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 まもなく初夏にさしかかるとは思えないほど肌寒い雨の降る5月23日、栃木県大田原市の黒羽ピアートホールで「藤田正典追悼演奏会」がおこなわれました。藤田氏は黒羽出身で日本を代表する現代音楽作曲家の一人として知られていますが、和太鼓楽曲の作曲も数多く手がけられ、栃木県北の太鼓団体にとっては師とも父とも慕われる存在でした。その藤田氏をしのび、生前に薫陶を受けた「与一太鼓」「黒羽太鼓」「八汐会」「流響塩原太鼓」「喜連川公方太鼓」の5団体が、氏が昨年5月4日に63歳で逝去されるまでに作曲した32曲のうち11曲を熱演。ステージ横に掲げられた遺影を見上げながら、私も在りし日の藤田先生の姿をあれこれと思い出していました。地元チームの成長を楽しみに、栃木県の歴史や自然などを題材にした太鼓の曲を次々に生み出された先生。みんな先生の曲を大切にしてる演奏でした。

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文字を書いた奏者で書道家の女子



photo3.jpg演奏写真


photo4.jpg出演者全員写真

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2010年5月17日

ケヤキはエラい!


 先週、ひさしぶりに能登半島の「あさの山」にでかけました。6年前からケヤキの植林を続けている浅野太鼓の森です。時期的にちょうど山菜採りのシーズンで、大きな袋にたっぷりとワラビを詰めたご婦人たちのグループが森のあちこちで楽しそうな笑い声を上げていました。そのワラビの絨毯の上に枝を広げたケヤキの新緑のなんと美しいこと。目を洗われるような若緑の葉には力強い生命力があふれ、見上げる私の体内にも大地の息吹が伝わってくるようです。

ケヤキの新緑


 そして面白いことを発見!
なんと、葉っぱの大きさが梢の方にいけばいくほど大きくなっているのです。イチョウなどは下の枝から先に葉がつくものですが、ケヤキはどうもてっぺんの葉から先に芽吹くもののようです。ということは、大地から吸い上げられた養分と水分は、最初に一番遠くの葉に送られるということでしょうか。梢は下の枝より太陽に近いために光合成が活発で葉の成長が早いということは考えられますが、それにしても養分と水分が充分に満たされていればこそ。よくケヤキは「樹の王様」といわれますが、先に恵みを遠くに送るという偉大な習性にもぴたりと当てはまる言葉だということを納得。長いことケヤキとつきあいながら、自分の手で育てて初めて知った自然の営みにあらためて深く感動したひと時でした。

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2010年5月 7日

府中の「くらやみ祭り」で手塩にかけた大太鼓群と再会


 連日パッとしなかった4月の悪天をいっきに解消するかのように晴天続きだった今年のゴールデンウィーク。その最終日、府中の大國魂神社の例大祭「くらやみ祭り」に出かけました。

  京王線府中駅から神社に向かう参道は、けやき並木の新緑の美しいこと。真っ青な空をさえぎるばかりに悠然と枝を広げた木々の木漏れ日を浴びて歩いていると、身も心も清々しく浄化されていくようでした。
けやき並木の新緑
(けやき並木の新緑)
道清めの議
 毎年5月3日から6日まで開催されるこの祭り、5日の見どころは、午後の「大太鼓の送り込み」と、夕刻からの神輿渡御。それに先立ち、氏子の一行が長い竹竿をバタバタ鳴らして旧甲州街道を練り進む「道清めの議」。が行われると、神社周辺は身動きもままならないほどの混雑に。そして太鼓の送り込みでは神社拝殿前に御本社から五六之宮までの各宮の大太鼓6張が勢揃いし、いずれも革面が6尺を越す太鼓が威勢よく打ち鳴らされます。この中の4張が浅野太鼓の製作で、一つずつの太鼓を眺めているとそれぞれの完成までに至る物語がなつかしく思い出されます。

 まず最初につくらせていただいたのが二之宮の御太鼓で、口径6尺2寸、昭和52年の納品。夜行列車で上京した最初の打ち合わせでは、トタン屋根から雨水がしたたる軒下で会合が始まる時刻を待ったっけ。次いで昭和60年に御先拂太鼓、6尺7寸。祭礼でもっとも重要な役割を担うこの太鼓は、府中をはじめ、小金井、調布などの広い講中の皆さんの奉納によるもの。その製作会議の席上、先代危篤の報が入り、中座しようとして厳しくとがめられた苦い経験。まだ商売のなんたるかを知らない、まさに若気の至りの失態でした。さらに平成2年に三之宮御太鼓、6年に五六之宮御太鼓と、いずれも全身全霊を籠めてつくり上げた大太鼓群。大音響が響き渡る境内では当時のお世話役だった皆さんにもお目にかかることができ、私なりに充実した連休の締めくくりでした。
二之宮の御太鼓
(二之宮の御太鼓)

御先拂太鼓 鴨下さん
(御先拂太鼓 鴨下さん)

三之宮御太鼓
(三之宮御太鼓)

五六之宮御太鼓
(五六之宮御太鼓)

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