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2010年5月 7日

府中の「くらやみ祭り」で手塩にかけた大太鼓群と再会


 連日パッとしなかった4月の悪天をいっきに解消するかのように晴天続きだった今年のゴールデンウィーク。その最終日、府中の大國魂神社の例大祭「くらやみ祭り」に出かけました。

  京王線府中駅から神社に向かう参道は、けやき並木の新緑の美しいこと。真っ青な空をさえぎるばかりに悠然と枝を広げた木々の木漏れ日を浴びて歩いていると、身も心も清々しく浄化されていくようでした。
けやき並木の新緑
(けやき並木の新緑)
道清めの議
 毎年5月3日から6日まで開催されるこの祭り、5日の見どころは、午後の「大太鼓の送り込み」と、夕刻からの神輿渡御。それに先立ち、氏子の一行が長い竹竿をバタバタ鳴らして旧甲州街道を練り進む「道清めの議」。が行われると、神社周辺は身動きもままならないほどの混雑に。そして太鼓の送り込みでは神社拝殿前に御本社から五六之宮までの各宮の大太鼓6張が勢揃いし、いずれも革面が6尺を越す太鼓が威勢よく打ち鳴らされます。この中の4張が浅野太鼓の製作で、一つずつの太鼓を眺めているとそれぞれの完成までに至る物語がなつかしく思い出されます。

 まず最初につくらせていただいたのが二之宮の御太鼓で、口径6尺2寸、昭和52年の納品。夜行列車で上京した最初の打ち合わせでは、トタン屋根から雨水がしたたる軒下で会合が始まる時刻を待ったっけ。次いで昭和60年に御先拂太鼓、6尺7寸。祭礼でもっとも重要な役割を担うこの太鼓は、府中をはじめ、小金井、調布などの広い講中の皆さんの奉納によるもの。その製作会議の席上、先代危篤の報が入り、中座しようとして厳しくとがめられた苦い経験。まだ商売のなんたるかを知らない、まさに若気の至りの失態でした。さらに平成2年に三之宮御太鼓、6年に五六之宮御太鼓と、いずれも全身全霊を籠めてつくり上げた大太鼓群。大音響が響き渡る境内では当時のお世話役だった皆さんにもお目にかかることができ、私なりに充実した連休の締めくくりでした。
二之宮の御太鼓
(二之宮の御太鼓)

御先拂太鼓 鴨下さん
(御先拂太鼓 鴨下さん)

三之宮御太鼓
(三之宮御太鼓)

五六之宮御太鼓
(五六之宮御太鼓)

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