2010年6月30日
10年ぶりの「札幌打撃祭」
去る26日の土曜日、北海道札幌市で10年ぶりに和太鼓の祭典「札幌打撃祭2010」がおこなわれました。私にとっても10年ぶりの札幌、そして芸術の森。ここでふたたび和太鼓の舞台を観ることができるとは、なんと嬉しいことでしょう。
当日は「北海道和太鼓10選」と銘打って、登別の「橋本流地獄太鼓」、江別市・札幌市の「山口太鼓北海若衆太鼓」、札幌市の「創作太鼓しまふくろう」など地元10チームが演奏。後半はゲストとして鼓童の藤本吉利さん、島根の今福優さん、東京の「三宅島芸能同志会」の皆さんが舞台に立ち、午後2時の開演から夜9時の終演まで、初夏の札幌の町に太鼓の音が鳴り響きました。
このイベントは札幌芸術の森(札幌市芸術文化財団)が中心となり、北海道につちかわれた太鼓文化を残していこうという趣旨のもとに開催されたもので、行政が太鼓に焦点を当ててくれたことは有難い限りです。10年振りの和太鼓の祭典が北海道の人々の胸に太鼓の醍醐味を刻み、これからもこのイベントが続いていくことを願うばかりです。
2010年6月20日
たくさんの人のご信頼と善意に支えられて
週休二日制がほとんど定着した現在ですが、若いころから休日返上で働いてきた私は、土曜、日曜といえども休みをとることに妙な罪悪感があり、ついつい平日通りに出社するのが日課となっています。昨日19日の土曜日もいつものように朝7時前に出社。掃除を始めようと玄関の扉を開け放つと、四国の西条市から一行8人のお客様が到着。聞けば未明の午前2時に出発したそうですが、疲れもみせずにさっそく工場へ。購入予定の胴を念入りにチェックする様子に祭りへのなみなみならぬ思い入れを感じ、なんとしても期待に応えなければとの思いを新たにしたのでした。
次いで大阪からだんじり用太鼓の音チェックに一行11人の若者がご来店。ピンと背筋を伸ばした礼儀正しい姿に、今どきの若者も捨てたものでもないと感心。音の調子にもどうやら満足していただけた風情にほっとひと息。
そうこうするうちに、今度は滋賀県の三木市から古いご贔屓筋のご一行17人がご来店。こちらも屋台用太鼓をご要望で、工場内、倉庫の胴をつぶさに見て回り、当社で購入したいとのお言葉を頂き安堵しました。
皆さん、遠い所をようこそお越しくださり、ありがとうございました。
一方、工場の外では、府中から依頼された屋台の御所車の輪入れ作業を実施。虚空蔵太鼓の名手にして、鉄工・電工・溶接と何でもこなす小山峰弘さんが渾身の焼き入れの技を駆使し、一分の隙もない堅牢・優美な一対の車輪ができあがりました。お見事!
(鉄輪入れ 小山さん)
昼過ぎに会社を後にし、一路、福井県のおおい町へ。我が社の植林事業に深い理解を寄せてくださっているソロ奏者の林田ひろゆきさんが、おおいの太鼓グループ『大飯ブレイズ』の代表吉村さんと相談し、「けやきエイドコンサートin福井2010」なるチャリティコンサートを企画。会場のおおい町総合町民センターに着くと、舞台の上にはコンサートのタイトルにふさわしく、ケヤキ製の大小の太鼓がずらり。林田さん&ZI-PANGの皆さんに大飯フレイズ、さらにおおい町のブラスオーケストラ『ウインドアンサンブル』、隣町の『名田庄太鼓』、愛媛県松野町から駆けつけてくださった『鬼城太鼓』など、プロ・アマ交えておよそ4時間にわたるコンサートはオープニングからガンガンの全力疾走。エンディングまでただ一人の観客も席を立つことなく、熱気いっぱいのステージが繰り広げられました。
そして入場料の収益金を今秋の植林のために役立ててほしいと、我が社に寄贈をいただきました。なんと有難いことか。これまで無心に誰かのために尽くした記憶のない私には、まったくもったいないばかりの浄財です。皆さんのお志に恥じないよう、心して使わせていただきます。本当にありがとうございました。
(手前左から林田さん吉村さん出演者の皆さん)
2010年6月 1日
伊勢神宮で有難い経験
伊勢神宮が平成25年に迎える第62回式年遷宮を前に、祝賀の意を込めて昨年の10月から製作していた楽太鼓が完成し、5月29日に内宮に奉納させていただきました。
当日は、革張りや太鼓枠製作、彩色など各工程にたずさわった職人6名とともに早朝5時に会社を出発。伊勢路をたどって9時過ぎに神宮の駐車場に着くと、すでに雅楽課の森井楽長さんが待機して出迎えてくださいました。そのまま神楽殿に導かれ、緊張しながら全員で搬入・組み立て作業を終了。正宮で厳かにお祓いを受けた後、ふたたび神楽殿にもどって奉納奉告祭に列席させていただきました。続いて古式ゆかしく奉納された神楽舞を拝しながら、日々、精魂を傾けて製作に励んでくれた職人たちに感謝するとともに、今回の経験によって職人たちの技術力が確実に向上したことを神前に報告した次第です。
職人6名と共に
早朝5時に出発
緊張の搬入・組み立て
奉納
一連の神事を終えたところで、思いがけなくも全員で直会の席に招かれてびっくり。このような栄誉は私の63年の人生の中で初めてことで、嬉しいやら有難いやら。若い職人たちも大いに感じ入った様子で、神妙に神饌を味わったひと時でした。
直会の席に招かれ
伊勢神宮の皆様、ありがとうございました