2010年7月13日
心を洗われた高野山
9日、知人に誘われて和歌山県の高野山を訪れました。ここは「弘法大師」こと空海が平安時代の初期に真言密教の根本道場を開くために嵯峨天皇から下賜を受けた聖地で、七里四方の台地に総本山金剛峯寺を中心として117の寺院と52の宿坊があり、平成16年には同じく和歌山県の吉野、熊野地区とあわせてユネスコの世界遺産に登録されています
紀伊半島紀ノ川の南方で8弁の蓮の花びらにたとえられる峰々に囲まれた高野山は、標高約1000mの澄んだ空気がすがすがしく、目にするものすべてが厳かな雰囲気に包まれていました。あいにくの雨天でしたが、それだけに山深い木々の緑がいっそう鮮やかで、巡る寺々でお庭を拝見するのも楽しみの一つ。中でも金剛峯寺主殿の中庭「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」や、無量光院の回遊池泉庭園は趣深く、自然と造形との組み合わせの妙に、思わずため息をついて見入るばかりでした。
帰路には雨もあがり、つづら折りの山道を下る眼下には、懐に雲を抱いた山々の山水画のような風景が広がっていました。一面の雲海からいくつもの山頂が頭を突き出している光景は、雌雄の龍が真っ白い雲海に遊ぶ蟠龍庭の構図にも似て、その気高い美しさに心を洗われる思いで山を下りたのでした。
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