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2010年9月21日

伊勢、大分へ


 かねてより工事中だった伊勢神宮の内宮にある風日祈宮橋(かざひのみやばし)がこのほど竣工し、17日、お祝いの式典に招かれました。この橋は内宮神楽殿の南の方角にある、雨風の順調を司る神様がおられる風日祈宮に向かう途中、五十鈴川支流の島路川に架かる橋で、長さ45,6m、幅4,6m。内宮前の宇治橋を小さくしたような橋で、最初に架けられたのは室町時代の1498年とのこと。昨年、宇治橋の架け替え工事が終わったのにともない、今年の初めから新しい橋を架ける工事が進められていたものでした。

 午前11時30分、完成したばかりの新橋の渡り初めが行われました。白装束の神官15名を先頭に、全国の主だった神社の宮司さんの一群、一般招待者と続き、すべて渡り終えたところで直会の席へ。さらに神楽殿において、「大和舞」と、昭和48年の式年遷宮の際に奏上されたという「よろずの舞、十二単の衣装」が奉納され、厳かな雰囲気のうちに式典が終了しました。身に余る貴重な体験をさせていただいたことを神々に感謝し、清々しい気持ちになった一日でした。

 それから一日置いた19日、大分での太鼓コンサート「ゆふいん源流太鼓VS舞太鼓あすか組」へ。ものものしいタイトルとはうらはらに、円熟した二人の太鼓打ちの芸はそれぞれの持ち味がよく活かされ、しみじみと心にしみました。中でも飛鳥大五郎さんが歌って舞い、長谷川義さんが大太鼓を打った「舟歌」は、ともにしなやかで力強い所作が印象的で、さすが「年季」の功徳を思わせる味わいがありました。

 飛鳥さん、長谷川さん、お疲れ様でした。これからも素晴らしい先達として後進を導いてくださるよう願っています。

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2010年9月 7日

あえて苦言を一言

 

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 今ではすっかり9月の恒例となった「神恩感謝日本太鼓祭」が、4日と5日の二日間にわたって行われました。会場は、ご存知、伊勢神宮の内宮周辺。出演は全国から集まった14団体と6個人。午前10時から午後5時まで四つの会場は太鼓の鳴り止むひまもなく、毎年駆けつけてくれるおなじみさんや神宮の参拝客など多くの見物人がつめかけました。
今年で第8回目となるこのイベントは、神宮周辺一帯とおかげ横町の活性化を目ざし、おかげ横町の誕生とともに結成された「神恩太鼓」が中心となって開催しています。毎年の盛況ぶりを見れば当初の目的は充分に果たされているものの、太鼓芸能の活性化という切り口から見ると、残念ながらまだまだ磨きが足りない一面もあるように思われます。すなわち、奏者の質の問題です。弱冠にして卓越した打芸を披露する若者のいる一方、未熟な技、軽い乗りの舞台で自己満足し、「太鼓とは」「舞台とは」大事な本質を忘れているのでは? 他の打ち手の見事な技をしっかりと両の目で学んでほしい。
舞台の上で燃える情熱は、確実に観客に伝わるものです。そのことを自覚し、一人ひとりが立派な打ち手に育ってくれることを願うばかりです。

 

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