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2011年9月28日

太鼓に導かれて、東京、長崎、愛媛

日本の太鼓

9月23日、国立劇場の「日本の太鼓」が3年ぶりに復活しました。満を持しての再出発で何を表現してくれるかとても楽しみにしていたのですが、この3年の間に「時代」が変わってしまったのか、「打つ」という行為は影を潜め、太鼓特有の音の力が、リズム主体のドラミングの中にすっかり埋没してしまった印象でした。昭和52年の第1回開催以来、文字通り日本の太鼓を象徴してきた舞台であるだけに、なんとも複雑な思いでフィナーレを迎えた105分でした。

 

和太鼓倭

 翌24日は、東京国際フォーラムのホールCで「和太鼓倭」の公演。年間の三分の二を海外公演に費やす倭の舞台を国内で観られる数少ない機会に、たくさんの観客が訪れ、大盛況だった様子。翌25日には本拠地である奈良県明日香村の国営飛鳥歴史公園石舞台地区「あすか風舞台」で毎年恒例の「彼岸花祭り 倭コンサート!」も開催。10月から12月までのアメリカ公演を控え、つかの間の日本滞在にもかかわらず、代表の小川さん、そしてメンバーの皆さん、本当にお疲れさまでした。

深江太鼓

 同じく24日、長崎県南島原市で「和道深江太鼓」の結成30周年記念コンサート。昭和57年の結成以来、深江太鼓を引っ張ってきた岩永和明さんが一昨年に急逝し、一時は茫然自失していたメンバーでしたが、今はなんとか立ち上がり、地域の人々にも祝福まされた和やかな式典に郷土の誇りが感じられました。次の世代を担う若者も確実に育っているようで、どうか今後とも岩永さんの遺志を継いで、ますます発展されるよう願っています。

澤田さんご夫妻

  そして25日、愛媛県松山市で、太鼓奏者同士の結婚式。新郎は第1回東京国際和太鼓コンテストで「ユニーク賞」を獲得した澤田剛年さん。新婦は7年前から澤田さんとデュオを組んでいる知代さん。澤田さんは演奏活動とともに、社団法人「IYO祭り協会」も立ち上げ、披露宴では協会に名を連ねる獅子舞や阿波踊り連、よさこい連ほかたくさんの団体が芸を披露。また澤田家は四代続く「野球拳」の家元ということもあり、余興として野球拳のリーグ戦も飛び出すなど、まさにお祭りのように賑やかな3時間でした。お二人の間にはすでに一粒種の長女「いより」ちゃんも誕生。どうか末永くお幸せに。そしてますますのご活躍を楽しみにしています。

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2011年9月20日

初秋に思う、それぞれの太鼓の道

神恩太鼓
<神恩太鼓/叩く門には福来るII (CD)>

残暑どころか真夏並の暑さが続いた10日(土)・11日(日)、三重県の伊勢神宮内宮門前町おかげ横丁一帯にて、今年も恒例の「神恩感謝日本太鼓祭り」が開催されました。第9回目となった今年は、主に西日本周辺から10団体と3人のソロ奏者が出演してたくさんの観客をお迎えしました。ただ一つ、残念なのは、第1回目から中心になって太鼓祭りを引っ張ってきた地元伊勢の団体「神恩太鼓」が、社会的な事情で解散に至り、今回はあのひたむきに熱い演奏が聴けなかったことです。太鼓が大好きなメンバーが、太鼓を打つ機会をなくしてしまったことはとても残念ですが、どうかそれぞれの場所で逞しく新しい人生を切り開いていかれるよう祈るばかりです。


高山陣屋
<昭和57年高山陣屋太鼓>

 そして先週末の17日は、岐阜県高山市で、太鼓と民踊の「豊飛会」を主宰されている川畑豊飛さんの50周年記念大会。1979年の全日本太鼓連盟設立当時から、小口大八さんとともに太鼓を盛り上げてきた川畑さんは、ご自身も「高山陣屋太鼓」を立ち上げ、そちらも今年35周年というめでたいづくし。私も20代からお世話になってきた妙齢の淑女はますますご壮健で、私を元気づけてくれます。どうかこれからもますますのご活躍を楽しみにしています。

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2011年9月 1日

今日から9月

 今日9月1日は、昔で言うなら「二百十日」。立春から数えて210日目にあたり、よく風台風がやってくる日とも言われます。富山県八尾市で今日から始まる「風の盆」は、本来は台風による被害が少ないことを祈る行事ですが、今ではそうした由来よりも、坂の多い町に胡弓の音色が夜通し聞こえる情緒ある祭りとしてたくさんの観光客がやってくるようです。

 さて、8月末の25日から28日まで、東京渋谷区の青山劇場で、太鼓の複合イベント「TAIKO JAPAN 2011」を実施しました。太鼓コンサート「青山太鼓見聞録」、和太鼓カレッジ、東京国際和太鼓コンテストと、毎度おなじみのイベントにたくさんのお客さまを迎え、新人の発掘の面でもそれなりの収穫があったように思います。会期中、ご来場くださった皆さん、コンテストやカレッジに参加してくださった皆さん、そして共催の東京新聞、財団法人児童育成協会のスタッフの皆さん、どうもありがとうございました。

 そしてスタートした9月は、企業の運営の上では上半期の決算月にあたり、月末には4月から半年間の業績が明らかになります。ここ数年の経済低迷に加え、今年は東北大震災の影響による不振もあり、どのような数字がはじかれるか不安なところではありますが、まあ、精一杯やっていくしかないでしょう。
 また今月からは各地で秋祭りや太鼓イベントも多く開催され、できるだけたくさんの会場に足を運びたいと考えています。たくさんの太鼓シーンを見ることで太鼓の「今」を知り、そのことによって太鼓の「将来」を感じ取りたいものです。どこかで姿を見かけたら、どうかお声をかけてください。
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