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2012年2月22日

梅花緑に元気をもらう

原木
原木
原木

 

 

 

 先週後半からの大寒波襲来による降雪も一段落し、今日は久し振りのおだやかな日和。工場の前では雪解けの下から原木が少しずつ肌を現し、樹皮にしがみついている苔もたっぷりの水分を吸ってみずみずしく緑の色を濃くしています。

 一方、庭では梅のつぼみがふくらんで、厳しい寒さの中にも一歩一歩春が近づいていることを感じさせます。

 曹洞宗の開祖である道元禅師は、『正法眼蔵』という経典の中で「梅花力」という言葉を用いています。これは「梅の花が咲くのは春が来たからではなく、梅の花が開くその力が春を呼び寄せる」という意味だそうで、今の季節は梅花力によって万物が生き生きと動き出す時期のようです。そろそろ私たちも冬の間に蓄えたエネルギーを、思いっきり発散する準備を始める時期かも知れませんね。そう考えると、なんとなく元気が湧いてくる今日このごろです。

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2012年2月 8日

林英哲さんの渾身の還暦コンサートに胸を打たれる

林英哲還暦コンサート

2月2日から5日まで、東京の世田谷パプリックシアータで、林英哲さんのコンサート「五輪具−あしたのために−」がおこなわれました。英哲さんの演奏活動40周年記念であり、還暦を記念するコンサートでもありました。

 英哲さんとは鬼太鼓座時代からの長いおつきあいで、これまでも数々のコンサートにお邪魔していましたが、やはり今回の舞台は格別の趣きで、まさしく40年の蓄積と年季のなせるわざをまざまざと目にした思いです。ことに10年近くにわたって心血を注いで育ててきた「英哲風雲の会」の若者たちとともに、永年の封印を解いて演奏した「モノクローム」は、これまで聴いたどのモノクロームよりも深く、強く、繊細に、心にしみいりました。思い起こせばこの曲は、石井眞木さんの楽譜に全身で向かい合った英哲さんが、一つ一つの音符を追って音色や曲調、曲想などを読み取ってはぐくんできた特別の曲です。その神髄を、還暦を機に若者たちに伝えたいのか、あるいは英哲さんの歩んできた険しい道の証しとしたいのか、ともかく毛髪の一本一本から足のつま先まで神経の行き届いたような舞台には、ただもう言葉もなくまぶたを熱くして見入るばかり。その姿は、日本で初めての太鼓ソロ奏者として貫き通した男の意地がにじんでいるように私には見えました。

 コンサート二日目の2月2日が誕生日。この日で60歳になられた英哲さんですが、まだまだ60です。次の10年、その次の10年も、すべての太鼓打ちが目標とするような奏者として、どうかご創建でご活躍くださるよう願っています。

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