2012年3月30日
今年度のご愛顧に感謝しつつ、引き続きよろしくお願いいたします。
いよいよ3月も月末近くなり、何かと波乱の多かった今年度もまもなく終わろうとしています。東日本大震災の影響を始めとする不安定な社会の経済状況に加え、不手際によるクレームや不行き届きなど、反省することが多々ありましたが、1月にスタートした革の張替キャンペーンの好評などにより、お陰様で無事に年度末を迎えられることを、深く感謝しています。
新年度に入っても、原油価格の高騰など目前の課題は気になるところではあるものの、近年、ますます仕事に身が入り、地車やふとん太鼓などに足繁く通っている社長の姿を見るにつけ、頼れる存在になってきたことを感じます。
浅野恭央、42歳。まだまだ若輩者ではありますが、音づくりについては独自の哲学をもっておりますので、新年度もどうかよろしくお願いいたします。
2012年3月21日
1年目の被災地で、そして「飯坂温泉太鼓まつり」で感じたこと
この世のものとも思えないすさまじい大津波の映像が今も脳裏に焼き付いている東北大震災から1年がたちました。その東北は今どのような状況にあるのかこの目で確かめたく、3月12日に岩手県宮古市を訪れました。その地で30年前から活動されている「山口太鼓の会」の佐々木清さんのご案内で、田老地区の海岸へ。
「万里の長城」とさえたとえられた頑丈な堤防は、あちこち崩壊した無惨な姿をさらし、入江から押し寄せた大津波の勢いがいかに激しかったかを物語っていました。昨年と同じように小雪が降る中を、さらに陸前高田、石巻へと向かいましたが、どこも今だ大変な状況で、被災地の復興への道のりの険しさを実感させられました。安易な言葉しか思い浮かびませんが、一日も早い立ち直りを祈るばかりです。
その後いったん石川に戻り、18日、福島市で開催された「飯坂温泉太鼓まつり−復興祭−」に参加。昨年は3月13日に開催を予定していたものの、11日の震災で中止となったため、一昨年から2年ぶりの開催。
17日夜の前夜祭でのご挨拶を含め、いろんな方々が被災地の皆さんへの励ましの言葉を述べられましたが、その中でもっとも心に残ったのが「太鼓の響きで被災者の心に寄り添いたい」という一言でした。震災から1年が過ぎ、疲れが重なった被災者の皆さんの気持ちを鼓舞するのでなく、静かに癒すお手伝いを太鼓ができるのであれば、こんな嬉しいことはありません。
そして「地震・津波・原発事故と、三重苦にさらされた福島を忘れないで」と涙ながらに訴えた「愛宕陣太鼓連響風組」代表の斎藤通夫さんに、心からのエールを贈ったのでした。
2012年3月 5日
嬉しい週末
昨日、当社の地元白山市で、長崎の「瑞宝太鼓」の公演がありました。ご存知の方も多いと思いますが、彼らは日本で唯一、障がいを持ちながらプロとして活躍している太鼓グループで、国内外で年間約120回の公演をおこなっています。最初は知的障がい者の余暇サークルとしてスタートしたのですが、「大好きな太鼓で生きていきたい」と、プロになったのが2001年。その時に比べると、10年が経過した舞台は構成もしっかりし、応援してくれる人々も全国に広がってきたようです。それにつけても思い出すのは、彼らの父親のような存在として太鼓の道を開いてくれた「和道深江太鼓」の岩永和昭さんです。太鼓を通じてメンバーの可能性を花開かせながら、2009年に突然他界した岩永さんが、今の彼らのステージを見たらどんなに喜ばれたでしょう。しかし、岩永さんに代わり、彼らの演奏が心身にハンディを持つ人たちに勇気を与えることができているなら、それはそれで岩永さんもきっと嬉しいに違いありません。
こうして障がいを持つ人でも太鼓で自立できるという先鞭をつけたのが、今から30数年前に日本で初めて障がい者の療育に太鼓を取り入れた静岡県御殿場市の社会福祉法人富岳会です。理事長の山内令子さんにはその時からおつきあいをいただいていますが、山内さんが蒔いた種が長崎にも飛んで芽吹いたことを思うと、太鼓によって結ばれた不思議な縁を感じます。
また、一昨日は、鼓童が第33回松尾芸能賞の邦楽優秀賞を受賞したとのニュースも飛び込み、何かと嬉しい週末となりました。