2012年12月28日
この一年のご愛顧に感謝し、新年に幸多きことを祈ります
年末もいよいよ押し詰まり、今日はわが社の仕事納め。この一年、大過なく過ごせたことに感謝をこめて工場の隅々まで清め、最後に社員全員で手打ちをして解散するのが例年の習わしです。
思えば厳しい一年でしたが、多くの皆さまに支えられてなんとか乗り切ることができました。あらためて心より御礼を申し上げます。
また、年末になって政局も新たな展開を見せ、明年には潮の流れが変わることも期待されます。
どうか来る年がより良い一年となりますよう願いつつ、年末のご挨拶とさせていただきます。
2012年12月27日
年末、心に残った二つの旅
師走の声に追われて気が急く中にも、今年最後の旅に出ました。一つは12月16日、九州鹿児島での「霧島九面太鼓保存会」の創立40周年記念祝賀会。代表を務める脇元勝巳さんは我が社の先代の時分からおつきあいをいただいている思い出深い人で、保存会立ち上げに先立ち、まだ高速道路もない時代、遠路鹿児島から我が社に来られ、5尺の大太鼓をはじめ大小の太鼓を自動車いっぱいに積み込み、笑顔で帰られた姿を今も覚えています。
昭和47年、脇元さんはそれらの太鼓を使って、霧島に伝わる「天孫降臨」の神話にちなんだストーリー性のある演奏形態を確立。当時、物語性のある太鼓曲としては福井の「権兵衛太鼓」と輪島の「御陣乗太鼓」が知られるぐらいの時代、斬新な曲想は現代にも充分通用する楽曲として九面太鼓を象徴しています。寡黙で多くを語らない脇元さんですが、音へのこだわりと地元を愛する心意気は人一倍で、その後、鹿児島一帯の太鼓チームをまとめて「霧島高原太鼓祭り」をスタート。軌道に乗せて、今では九州の祭りの一つとして定着するほどになりました。脇元さん、これからもどうかご壮健で、ご活躍ください。
一週間後の23日は、「鼓童」の「ワン・アースツアー2012 ~伝説」の東京公演最終公演と鼓童財団の理事会。理事会の前に拝見した舞台は、坂東玉三郎さんの演出に次代を見据えた人材育成の姿勢が垣間見え、今現在だけでなく、将来の鼓童の舞台に期待を抱かせるものでした。こちらもこれからが楽しみです。
さて、24日、石川に向かう飛行機は、北陸地方が大雪のため相次いで欠航。羽田の空は穏やかな小春日和で、大雪の報が信じられない思いでしたが、狭い日本ながら、東日本と西日本の天候格差をあらためてうらめしく感じた帰路のひとときでした。
2012年12月14日
会津磐梯山は宝の山よー
「イヤー、会津磐梯山は宝の山よ 笹に黄金がエーまたなりさがる−」。ご存知ですか? 福島県の民謡「会津磐梯山」の1番の歌詞です。なぜ唐突に、と思われるでしょうが、実はこのところNHK・BSプレミアムで森繁久弥の古い映画を放送しており、たまたま見たのが1955年の作品「警察日記」。その冒頭でこの民謡が流れるのですが、日本広しといえども、古里の山を「宝の山」にたとえるほど誇りにした歌詞は思い当たらず、そういえば米も果物も野菜も豊かな福島県は、やはり宝の山の恵み豊かな県なのだろうと合点した次第です。
折も折、福島市で活動している「愛宕陣太鼓連響風組」の代表・斎藤通夫さんから2013年のカレンダーが到着。広げてみれば磐梯山を背景に、黒い煙を吐いた機関車D51が走っている写真。愛宕陣太鼓の代表曲は、この機関車の「シュッシュッポッポ、シュッシュッポッポ」のリズムを豪快に打ち込む「D51」で、どの公演でも最後にこの曲を力強く打ち鳴らすのは、福島というふる里を深く愛するメンバーの心意気の表れなのだろうと、映画を見て初めて納得しました。
「警察日記」では、森繁久弥演じる人情おまわりさんが、磐梯山が見える小さな村で日々起こるできごとを笑いと涙で解決していきます。斎藤さんも、北海太鼓の流れを汲む太鼓打ちとして見かけはいかつい男丈夫ですが、心根はやさしく面倒見の良い人情派。 その心の奥底にあるのは古里にそびえる磐梯山であり、そのふもとで暮らすたくさんの仲間であり、見慣れた風景なのでしょう。そんな素朴な思い入れが、私の心にぽっと灯をともした年の暮れでした。
2012年12月 6日
2012年師走にあたり
いよいよ師走に突入。今年は年頭に「牙を研ぐ」という言葉をこの一年のテーマに掲げて、1月から牙=闘志を燃やして全力で走ってきました。しかし、相変わらずの経済停滞や円高、政治の迷走などでなかなか先が見えない時代、「労多くして功少なし」の感がないではありません。
そうした中でも嬉しいことに、各地で「我が町を盛り上げよう!」との思いで、多くのチームが周年行事を開催されています。ご案内が届くたびに、できる限り都合をつけて足を運ぶように心がけていますが、どの会場でも地域の人々と一体になって太鼓が活気の元になっている様子を目にすると、とても元気づけられます。
今週末には岩手県で創立40周年記念公演、鹿児島で40周年記念式典、さらに東京でも年末公演と、年の暮れまで毎週末にイベントが行われます。どの公演も、力いっぱいの太鼓の響きで威勢良く一年を締めくくられるよう、ご盛会を祈っています。
残すところあと25日となった2012年。原木市場の入札や、新年の「2013年新春特別セール」など視野に入れながら、最後まで気を抜かずにラストスパートでゴールのテープを切りたいものです。