2014年3月28日
まな板の上にも春のきざし
3月は我が社の決算月。業績の伸び悩みが続いている今期、さてどんな数字がはじき出されるのか、まさに「まな板の上の鯉」の心境です。
そうした中にも、太鼓によって気持ちを鼓舞されるできごとがありました。
16日、愛知県西尾市で市制60周年を祝う「千人太鼓」が開催。千人という圧倒的な数の力で、観る者、聴く者を感動させ、あらためて太鼓の力の大きさを見せつけました。仕掛けたのは、神戸の「和太鼓松村組」のメンバーとして活躍している山田純平さん。西尾市は山田さんが自宅を構えた地で、市が公募した60周年記念イベント案に応募。千人という大人数がいっせいに太鼓を打つというスケールの大きな構想が西尾市を動かし、見事採用。資金集めから実行委員会の組織化、楽曲の指導、当日の運営まで、すべて山田さんの采配のもとに進行し、太鼓になじみの薄かった西尾市を「太鼓の街」として全国に印象づけたのでした。その快挙とともに、新しいイベントのありようを見た思いで、おおいに刺激を受けたのでした。
もう一つは東京芝の増上寺に早咲きの桜がほころんだ23日、青山の草月ホールで開かれた「三宅太鼓」の公演。津村明男さんと3人の息子たちで構成する「三宅島芸能同志会」と「鼓童」による「打ち込みの共演」で、1時間半にわたってひたすら「三宅島神着神輿太鼓」を打ち込んだ舞台。
ただ一つの演目を究めたシンプルな舞台に、太鼓の音の力強さや小気味よさ、豪快さがあふれ、欅の一木づくりの太鼓ならではの、木の生命力が宿る表現がズンズンと胸の奥底に迫るのでした。一木づくりにこだわり続ける太鼓職人として至福のひと時を味わった早春の一日、津村さん、鼓童の皆さん、どうもありがとうございました。
2014年3月12日
早春の静岡で「日本の風景!」
今日は東日本大震災から3年目。「まだ3年」「もう3年」と、それぞれの立場で感じることはそれぞれでしょうが、あの日の東北の惨状を思い出すと、何とも言葉にできない重苦しさに胸をふさがれるのは誰しも同じではないでしょうか。あらためて犠牲者の皆さんのご冥福をお祈りします。
さて、去る9日の日曜は各地でコンサートが行われました。まず神戸では木村優一さんが平成25年度兵庫県芸術奨励賞を受賞された記念のランチ&ライブを開き、社長の恭央がお祝いに駆けつけました。名古屋では「GONNA」が結成10周年記念公演を行い、たいころじいの小野が観覧。そして私は御殿場での「富岳太鼓」公演に向かい、社会福祉法人富岳会の山内令子理事長さんの元気な姿と富岳太鼓代表の強嗣さんたちに一年ぶりにお目にかかって旧交をあたため、また、公演内容の充実ぶりに驚きと満足感に浸りました。皆様ご苦労様でした。
途中、富士市の富士山浅間神社に立ち寄ったところ「湧水の中」太鼓や笛のお囃子の賑やかなこと。聞けば毎週土曜・日曜は地元の高校生たちが縁日さながらに囃子を奏でているとのこと。二分咲きの桜の下で太鼓の音が聞ける幸せ、「これぞ日本の風景」とばかりに、しばし足を留めたひと時でした。
(浅間神社) (湧水の中 鯉が泳ぐ)
(二分咲きの桜) (富士山の湧水)
2014年3月 5日
端午の節句もおわり
例年にくらべて極端に雪の少ない北陸に対し、関東一円は未曾有の大雪に見舞われた2月。不順な天候の中、乱れっぱなしの交通機関をなんとか乗り継ぎ、16日に向かったのは九州鹿児島市、江戸時代からの武家屋敷などが残って薩摩の小京都とも言われるこの町を拠点に頑張っている「知覧無双太鼓」の内園さんの結婚式でした。太鼓を通じて結ばれたというお二人、どうか「どんどんお幸せに」と願うばかりです。
その足で、鹿児島太鼓連合の20周年記念公演と式典へ。永年、連合をまとめてきた脇元勝巳さんとは40数年来のおつきあい。懐かしいお姿を拝見して、思わずこみ上げてくるものを覚えながら、20年間のご苦労を労いつつ、どうかこれからもご壮健でおられるよう願って鹿児島をあとにしました。
翌週22日は北海道苫小牧で「和太鼓ZINKA」の自主コンサート。普段はケンカばかりといいながら、いざ太鼓に向かうとこの上なく息が合う兄の仁裕くんと妹の綾花さん。若い二人がコンビを組んで3年、それぞれに持っているきらり光る個性をさらに磨き、長所も欠点も自覚しながら周囲のアドバイスにも素直に耳を貸し、謙虚な姿勢でステップアップして地元登別また北海道に二人の太鼓を根づかせていってください。応援していますよ。
翌週は都内で「ともろう」内藤哲郎さん武田朋子さんによる「CDはるばる」発売記念ライブ、見事な呼吸のあった演奏で来場者を満足させました。今後のご活躍お祈り致します。
月があけて3月2日、能登半島七尾市を拠点に活躍している「香島津太鼓」の10周年記念式典。当初はたった3人でスタートし、今は20数人の大所帯となったチームを率いる葛原伸二さんは、挨拶の中で「10年前に始めて太鼓を購入した時、嬉しくて太鼓を枕元に置いて寝た」と振り返り、その言葉に私も感動。
これまで山本寛斎さんのスーパーショーやエクスタジアなどのイベントにも出演協力いただいた香島津太鼓さんの確かな10年の歩みに、心からの拍手を贈ったひと時でした。
そんな慌ただしい中で雛祭りも過ぎ、地熱も高まり少し木々の新芽がふくらむそんな風景を眺めて新たな活力をもらいながら、ひたすら明日へと頑張るのみです。