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2016年11月24日

薬師寺普山式で身の引き締まるような時間

 

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 20日日曜日、奈良の薬師寺にて村上太胤菅主の普山式が執り行われ、その厳かな席にお招きをいただきました。普山式とは、新たな菅主(一寺院を管掌する住職)の着任を披露する儀式で、式典にはおよそ3000人の参列者が列席されました。

 村上菅主は岐阜県各務原に生まれて9歳で薬師寺に入られ、長い間修行を積まれた功徳のあるお坊さん。にもかかわらず、まったく偉ぶったところのない気さくなご住職で、そんな人柄も多くの参列者に慕われるゆえんでしょうか。

 式典は薬師寺境内の三重の東塔・西塔と大講堂の間の広場で行われ、仏師で俳優の滝田栄氏の開式の辞に始まり、散華に続いて村上菅主が弥勒三尊像に向かって力強く決意の表白(ひょうびゃく)を読み上げました。さらにテノール歌手の秋川雅史氏の祝儀として朗々とした「翼をください」の独唱、また祝辞は春日大社宮司の花山院弘匡氏、総務大臣の高市早苗氏、奈良県知事の荒井正吾ほかというそうそうたる顔ぶれで、なんとも身の引き締まるような厳粛なひと時でした。

 式典終了後、第二部としてこれまた有り難いお話。まずは村上菅主と東大寺菅主、法隆寺菅主のお三方によるてい談。そろって龍谷大学のご出身ということで、和気あいあいと未来や希望について意見を交わし合う光景は、見ているこちらも幸せになるほど。続いて千住博氏による講話は「宇宙」と「わびさび」の関係について興味深く説かれ、心の奥にしみじみとしみ入っていくようでした。

 やまとのまほろばで、まさに一期一会の体験をしている今この時、日本に生まれたことの幸を思いながら豊かな心持ちで過ごさせていただいた3時間。周囲の皆さまのお導きにより、私のような徳の低い者がこのような晴れがましい場にお席をいただいたことの意味を思い、あらためて人の縁のありがたさを実感した出来事でした。

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2016年11月 9日

それぞれの舞台にそれぞれの思い

 今月は1日に東京サントリーホールで林英哲さんの演奏活動45周年記念特別公演「風の宴2016」、5日・6日は伊勢で「神恩感謝日本太鼓祭」と、月初めから注目の太鼓公演が二つ続きました。「風の宴」では、日本で最初の太鼓ソロ奏者としてスタートして45年、ひたすら高みを目ざして登り続けた英哲さんの意地が垣間見えるような舞台で、またひとつ英哲さんらしい新しい表現を  見せてもらったような気がしました。早くも50年記念の公演が待ち遠しい心境です。

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一方、今年第14回目の伊勢の太鼓祭は、二日間にわたり15団体がのべ43ステージを展開。両日とも快晴に恵まれたこともあるのか、会場のおかげ横丁一帯は例年にない賑やかさ。例年にないといえば、今年初の試みとして、「小倉祇園太鼓保存会」と「銚子はね太鼓保存会」、「レオさん」ことレナード衛藤の3団体が横丁を練り歩くという趣向で、一時は身動きもとれない混雑になるなど、どの出演団体も個性を競いあう太鼓祭となりました。中でも印象に残ったのは、レオさんと共演した3人の女性ダンサーの皆さん。研ぎ澄まされたキレの良い身のこなしに一流の人だけが持つ独特の世界観が感じられ、表現の手段は違えど、見習わなければならんと身の引き締まる思いがした1シーンでした。

  さて、今年のカレンダーは残すところあと1枚ですが、まだまだ気になる公演もあり、できる限り足を運びたいものと考えています。どこかの会場でお目にかかることがあれば、ぜひ声をかけてください。

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