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2016年12月27日

釧路に太鼓を根づかせた先駆者、逝く

 「やれやれ、今年も残すところあと10日足らず」と、暮れの片付けを始めた22日、北海道から思わぬ訃報。昭和42年に釧路市で「北海道くしろ蝦夷太鼓保存会」を創設時メンバー塚原茂夫さんが亡くなられたとのこと。折も折、北海道では12月にしては未曾有の大雪とのニュースを横目に見ながらも、言葉に尽くせないほどお世話になった塚原さんに香華をたむけずにはおられぬと23日朝、釧路行きの飛行機に。道々、思うのは塚原さんの大きな功績で、市役所職員を務めるかたわら警察音楽隊の指導に並々ならない情熱を燃やされたこと、多くの高校で太鼓指導をされたこと、いち早く太鼓曲の楽譜化に取り組んで太鼓音楽の普及に尽力されたこと、さらにオペラ曲の作曲で知られる水野修好先生の曲を蝦夷太鼓のレパートリーにできたのも、音楽に深い造詣があった塚原さんがおられたからこそなど、数え挙げればキリがないほど。幸い通夜の席に間に合い、塚原さんをしのぶ釧路の皆さんとも再会でき、昔語りに花が咲いた一夜。北海道の太鼓文化に確かな足跡を残された塚原さん、享年83歳。どうかやすらかにお眠りください。心よりご冥福をお祈りいたします。

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2016年12月15日

 

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 去る9日は毎年恒例の「山祭り」。山や木にかかわる職人たちが山の神に感謝を捧げ、心願成就を祈願する日です。我が社もこの一年、大きな事故もなく過ごすこができ、新たな良い人材にも恵まれたことに感謝して、白山比咩神社の神様に深く手を合わせてきました。これからの一年も、どうぞよろしくお願いいたします。 

 さて、翌10日は大阪で「打打打団天鼓」の公演。今回は元SKDの皆さんとの太鼓×歌劇のコラボレーション。タイトルは「大阪城パラディオン(守護神)-将星☆真田幸村-」というドラマチックなもので、果たしてこれまでは音を「聴かせる」太鼓が、さらに「演じる」「見せる」という新たな表現に挑戦。華やかな舞台に、太鼓の今後のいっそうの進出を期したひと時でした。

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 その足で向かったのは羽田空港国際線ターミナルでの「笛フェスタ2016」。文字通り篠笛を中心としてライブイベントで、中でも狩野泰一さんの演奏はあらためて「すごみ」さえ感じさせるほどの聴き応え。まずその姿勢の美しさに見惚れ、まっすぐに立った身体の体内の気管と篠笛の管が一直線に結ばれて共鳴するような、芯の通った笛の音(ね)に鳥肌が立ちました。また金子竜太郎さんの太鼓も一見してバチが跳ねるような打ち方ながら、実はしっかりと押さえが効いている見事さに目を奪われ、それぞれの技巧の巧みさに感動でした。

 さらに翌日は亀有で「和の音スタジオめでたい」のライブ。めでたい太鼓に三宅太鼓同好会や津軽三味線もゲストに加わり、若者たちが新しい試みに打って出ようとしている心意気がひしひしと伝わってきた舞台。これからどんな可能性を広げてくれるか、楽しみがまた一つ増えた思いがするイベントでした。

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2016年12月 5日

若手の活動が和太鼓文化の底上げに

 睦月、如月と始まった今年のカレンダーも、霜月を過ぎていよいよ最後の師走。毎年同じ感慨で恐縮ですが、今年も本当に早い一年でした。

 そうした中、この一年はことに若い打ち手の活動が目立ったように思います。これまで折々にご紹介してきましたが、ほかにも直近では11月、神戸の政本憲一さんが高槻市に太鼓教室「和太鼓政や」をオープン。また愛知県西尾市では山田純平さんが和楽総合芸術集団「熱響打楽」を立ち上げて、旗揚げ全国ツアーをスタート。それぞれにプロ意識をたぎらせ、新たなうねりを起こしていることは、まぎれもなく和太鼓文化の底上げとなり、まことに頼もしい限りです。

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 もちろんベテランの打ち手の皆さんも負けじとばかりに各地でコンサートやコラボレーションを繰り広げ、太鼓界を熱く燃やしてくれた一年でした。残すところあと3週間の間にも興味深いコンサートや太鼓祭があり、年末まで目が離せない状況です。

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