2017年12月19日
天下の逸品に感嘆!
毎年のことながら、あっという間の一年。師走のカレンダーもあと半分を残すのみとなった週末、北陸はおよそ30cmの積雪。いよいよ本格的に冬将軍がやってきたぞと、あらためて寒さへの構え。そんな一日、滋賀県に配達の途中に立ち寄ったMIHO MUSEUMで、日本に4点しかないといわれる「曜変天目(ようへんてんもく)」と対面。曜変天目とは鉄釉をかけて焼くことで黒く発色する天目茶碗の中でも最高峰とされる逸品で、目の前に鎮座している茶碗は、一目見た瞬間からまさに「美しい」の一言。
黒い茶碗の中に宇宙を思わせる神秘の光彩が虹のごとくに浮遊し、「目を奪われる」とはこのこと。しかも書き付けには「加賀藩前田利常公伝来」と記され、我々の加賀と縁があったとしみじみと懐かしさも感じ、その姿、形になおさら感嘆。いったいどのような陶工がどんな気持ちでつくったのかと、しばし思いを馳せたひと時でした。
また、思いがけなくも邦楽笛方の藤舎名生先生にもお目にかかることができ、良い歳を重ねられた風貌に、一流の技を持つ人だけのただずまいを実感。不徳の多い我が身には手の届かない境地ながら、わずかでもそうありたいと願った再会でした。