2020年12月23日
令和2年、師走にあたり
今年も残すところあと1週間。令和2年最後のプログです。
この一年を振り返ってみると、年頭は良い一年になることを願って神前に手を合わせたのもつかのま、2月には新型コロナ上陸の報に騒然。しかし、まもなく治まるだろうと楽観しながらも3月、4月、5月と感染は拡大する一方。そしていつのまにか酷暑の夏も終わって9月、10月になろうと、いっこうにおさまる気配なく、この師走にはまさにこれまでにない感染拡大の新記録更新中。この一年、コロナ禍によってどれほど多くの人が打撃を受け、公演やイベントは軒並み中止となり、経済活動は不振、さまざまな場面で暗いニュースが語られ、新年に向かう気持ちもつい不安になりがちな今日このごろです。
しかし、人として、生きるよりどころとして、「希望」をもつことはとても大切です。言い古された言葉ですが、「明けない夜はない」のです。いつかきっと治まると念じつつ、明るく前向きで豊かな気持ちをもって、来年こそは良い一年となるよう祈るばかりです。
皆さんも、どうか顔を上げて、良い年末年始をお過ごしください。
今年一年、どうもありがとうございました。新年もまた、どうぞよろしくお願いいたします。
下記の写真は京都大徳寺へ太鼓の下見に行った折り、撮影したものです。
ご丁寧にご案内頂き、ありがとうございました。
2020年12月16日
「ただ者でない」太鼓打ち
先週末、伊勢神宮内宮周辺で第18回「神恩感謝日本太鼓祭」が開催されました。12日は神宮の神楽殿において奉納演奏、13日はおなじみ五十鈴川河川敷の特設舞台において、石川県の「御陣乗太鼓」を含めて5団体が演奏。コロナ禍の中での開催について、事務局としては万全の感染予防対策を尽くした上での実施でしたが、いかなる状況になろうとも一つのイベントを継続することの難しさを場で感じた二日間でした。
こうした中、出演団体も久し振りの舞台に全身のエネルギーをぶつけているようでしたが、ことに大分の「豊の国ゆふいん源流太鼓」の長谷川義さんの「気」を発する姿は目を奪うばかり。1985年に初めて長谷川さんの舞台を見て以来、一瞬も手抜きすることなくバチを振るう所作に「ただ者でない」個性と、打ち姿の向こうにある、生きざまのすさまじさを感じ、現在まで源流太鼓の芯柱として輝き続ける姿に、尊敬の念が深まるばかり。40数年のおつきあいの中では、いろいろと行き違いもあったりしましたが、今は素直に長谷川さんの偉大さを心から称賛できます。どうかこれからもその個性のままに太鼓とともに生きていってほしいものです。
2020年12月 3日
盛況のうちにWTCを終了
今日からいよいよ12月(師走)
地元白山市にある白山比咩神社へ、今年最後の月参りに一年間の無事祈願成就のお礼参りに行って来ました。
今年も残すところあと1ケ月となりました。私の人生の中で、今年はとりわけ思うことの多い年でしたが、そんなことも何もかも飲み込んで、2020年の最後の1ケ月の一日一日を大切に送ろうと思います。
さて、微力ながら顧問としてかかわらせていただいた「WTC」(世界太鼓カンファレンス)を、去る21日から23日までリモートで開催しました。コロナがなければ世界中から太鼓を愛する人々が集まり、コンサートやワークショツプ、シンポジウムなど多彩な企画を実施する予定でしたが、リモートとはいえ思いがけないほど世界中からビデオ投稿やYouTubeで演奏が寄せられ、それはそれでなかなか盛況なカンファレンスとなりました。中には「こんな太鼓アリ?」と首をかしげるような映像や、「もっとこうした方が良いのでは?」とアドバイスをしたくなる太鼓もあり、表現の多様さにあらためて驚かされた場面もありました。
しかしながら、コロナの感染拡大によって、人と人とのコミュニケーションのあり方をはじめ、個々人の表現手法や、価値観の変化など、コロナ以前の社会から明らかに変化している社会情勢を肌で感じる良い機会でもありました。さらにこれからどんな社会になっていくのか、予想もつきませんが、この機会に世界中の太鼓を愛する人々が一つになって、共通の太鼓のセオリーを共有し得る可能性もあるのではないでしょうか。表革から裏革に打ち抜くような太鼓本来の打法、小手先でなく人の心をゾクゾクさせるような太鼓を打つ行為を、世界中の人に体感していただきたい。そのためにはどうしたらいいか、ぜひ模索したいところです。
何はともあれ、一年以上の時間をかけて準備に力を尽くしたスタッフの皆さん、本当にお疲れさまでした!