2021年6月30日
日本のものづくりの原点、尺貫法
先日、書棚を整理していた際、何気なく「たいころじい」第42巻を開いたら永六輔さんがいた。2014年のたいころじい最終巻にあたり、特別企画として永さんにインタビュー。小野編集長に同行し、2時間ほど太鼓について語り合ったのが懐かしい。そのとき、永さんは尺貫法がメートル法にとってかわられたことについても、反発の熱弁をふるっていた。「日本のものづくりの元は尺貫法。その尺貫法をこの国は法律で禁じている。そういうことに対して、誰も反発しない」と。
確かに神社仏閣をはじめとする建築物や、数々の工芸・ 民芸品、そして太鼓やバチも尺貫法によってつくり出されてきた。こうした良き伝統が、西洋からやってきたセンチ・メートルによって、今、ほとんど失われようとしている。「1尺」と言っても、若者には「え?何のこと?」と聞き返されるかもしれない。それでも次につなげるべき伝統文化の一つとして、私も永さんの持論に今さらながら共感している一人である。
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