2021年11月12日
神戸、島原への旅で思ったこと
このところ新型コロナの感染がだいぶ沈静化してきたことに勇気を得て、久し振りに遠出しました。まずは11月6日、神戸で「和太鼓松村組」の公演「伝承」へ。太鼓界もここ2年近くは公演を控えることが多かったので、どんな舞台を見せてくれるか期待満々。近年は公演タイトルにわかりにくい言葉を使うことが多い世の風潮の中、さすが松村さん、いかにもストレートにコロナ禍の中で沈殿していたものをすべて吐き出すかのような密度の濃さ。こうした「松村色」をなんとしても次の世代に伝承しようという意気込みが感じられる構成に感動。コロナ禍を経て、今後どのように太鼓文化をつないでいけるか私自身思うことが多い日々ですが、今は楽器店を離れてこれまでとは違う目で舞台を見ることで、また今後の方向をしっかり見定めたいものです。
翌7日は、長崎県島原市で社会福祉法人南高愛隣会の「故田島良昭顧問を偲ぶ会」へ。去る8月2日、病により活力あふれた76年の生涯を閉じた氏の人脈の広さはすでに多くの人々が知るところで、偲ぶ会には最高検察庁検事総長はじめ蒼々たる名士が居並び、代表献花は元厚生労働事務次官の村木厚子氏。振り返れば45年前に障害をもつ人々のための施設「南高愛隣会」を立ち上げ、理事長として理想の施設づくりを目ざして東奔西走、一つの時代を駆け抜けた田島氏の功績を思うと、このように惜しまれる花道はいわずもがな。それに引き替えるのもおこがましいながら、我が身のなんと小さなこと。せめて氏の残した「身を焦がし 一隅を照らす 蝋燭に」の言葉を胸に刻み、私も胸に小さな蝋燭を灯そうと決意したひと時でした。田島顧問、どうかやすらかにおやすみください。
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