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2022年2月16日

亡き寛斎さんから思いがけない贈り物

 昨日はバレンタインデー。恥ずかしながら私もわずかばかり淑女の皆さんからの恩恵にあずかりましたが、その三日前、ある人から思いがけない嬉しい贈り物をいただいたので、皆さんにお披露目したいと思います。

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 ある人とは、昨年他界されたファッションデザイナーでイベントプロデューサーの山本寛斎さんの片腕として永年にわたって寛斎さんを支えてこられ、現在は「KANSAI SUPER STUDIO」の代表取締役を務めておられる高谷健太さん。その高谷さんがわざわざ東京から訪ねてこられ、寛斎さんの形見だとして、皮ジャンをくださったのです。どこから見ても寛斎さん以外考えられない衣装を見ていると、ロシア連邦設立翌年の1993年に「赤の広場」で、寛斎さんプロデュースで打ち上げたイベント「ハロー・ロシア」以来の長いおつきあいがあらためて思い出されました。

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 寛斎さんは手がけられた多くのイベントに太鼓が出演する機会をくださり、たくさんの太鼓打ちが最先端のエキサイティングな時間を体験することができました。中でも忘れがたいのが、日本武道館での「アボルダージュ」と、東京ドームでの「太陽の船」。北は北海道から南は九州まで、全国から集まってくれた大人と子供およそ350人が打ちならす豪快な太鼓の響きが熱く耳によみがえります。当時、子供だった打ち手たちも、今は第一線で活躍する演奏者に成長した姿を、寛斎さんはきっと天国から見守ってくれていることでしょう。

 そして私もまた、寛斎さんから多くのことを学ばせていただいた一人です。イベントの手法、考え方、構成・演出、人の動かし方、効果のある仕掛けなど、たくさんの要素が現在進行形の太鼓コンサート「一刻一響祭→白山国際太鼓エクスタジア」にも生きています。寛斎さん、ありがとうございました。そしてこのコロナ禍で閉塞感ただよう時代に、寛斎さんからの激励の「元気メッセージ」を届けてくださった高谷さんにも、心からの感謝を捧げます。ありがとうございました。

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2022年2月 7日

「祝歳の響宴--絶世の未来へ」

 

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 2月4日の東京・サントリーホール「祝歳の響宴—絶世の未来へ」。林英哲さんの古希にちなんだ公演。まいった!素晴らしい公演でした! 一貫して舞台にただよう品格、緊張感、高揚感。周囲の空気までもが熱くなったような響の宴。第1部の「モノクローム」の、背筋が伸びるような端正な演奏。第2部ではゲストの藤舎名生先生、藤舎呂悦師匠、麿赤兒さんの熟達した芸が素晴らしく、ことに透徹した矢のように放たれる両先生の笛と小鼓の音色に真っ向から立ち向かう英哲さんの太鼓との競演や、麿さんの超人的な身のさばきから放たれる表現の深さは鳥肌が立つほど美しく、まさにその道の達人たちが一堂に集い、日本の芸の真骨頂を繰り広げた感さえありました。さらに、第3部の「レオナール われに羽賜べ」は、もはや完成の域に至ったといっても過言ではないほどの表現力に満ち、胸の芯から感動がこみ上げてきました。まさに英哲さんが50年にわたって磨き続けてこられた芸の結晶を、まざまざと見せつけられた公演で、私自身、太鼓の世界に身を置いていられた幸せをあらためて思った舞台でした。

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2022年2月 2日

待望の二つのコンサート

 コロナ禍においても粛々と時は進み、早くも今日から2月。一年のうちでもっとも寒さの厳しい時期。読者の皆さんには、くれぐれもお体大切にと祈るばかりです。

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 こうした中でも、どうしても自分の目と胸に納めたい太鼓コンサートあり、万全の態勢をとって出かけています。1月中ごろにはTAOのコンサート。このところ何かと話題にのぼることもありましたが、メンバー一同「負けるものか」の気概がみてとれた舞台で、客席の皆様は熱い視線を送っていました(拍手)。行ってよかったと思えるコンサートでした。

 

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 そして今月、4日にはサントリーホールで林英哲さんの古希にちなんだコンサート「祝歳の響宴  絶世の未来へ」。古希は70歳。未だかつて古希を数えてもコンサートをおこなった太鼓奏者は誰一人なく、そしてこれからも現れることはないだろう、希有な舞台。体力的にも精神的にもこの上なく厳しいであろう状況に果敢に立ち向かい、まさに「絶世」の舞台を見せていただくことを、デビュー当時からおつきあいをいただいている者の一人として、とても楽しみにしています。

 

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 続いて9日には、中野サンプラザホールで舞太鼓 あすか組創設30周年公演、飛鳥大五郎さんが、新作「敦盛」を公開されるとのご案内。こちらも今の社会状況の中、新しい境地を見せていただくことを期待しつつ、二つの舞台がこれからの太鼓文化を牽引していく予感をひしひしと感じている月の初めです。

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