2022年3月12日
二日間にわたって太鼓を堪能
去る5日、東京拠点の「太鼓の里響和館」による受講生の発表会「響和祭2022」が開催されました。響和館については、東京の皆さんに石川の太鼓の音を知っていただきたいとの思いで15年前に開館したのですが、お陰さまでその思いがほぼ達成されたのと、長引くコロナ禍により教室を維持することが難しくなったこともあり、今月末をもって閉館することに決めたことはすでにお知らせしたかと思います。ということで、今回の発表会は、最後の響和祭。と同時に、15年にわたる受講生と講師の皆さんのご愛顧への感謝の思いを精いっぱいにこめた私の15年分の感謝祭でもありました。
閉館を惜しんでくださるたくさんの受講生の皆さん、そしてご多忙の中を何年も指導に携わってくださった講師の先生方。どの顔も稽古の成果を発表する晴れやかさと、別れを惜しむ寂しさが半々に見て取れ、舞台はなんと、47演目7時間半にもおよぶ熱演。炎太鼓の演奏で幕を開け、梅村美穂子先生、小川ひろみ先生、柿崎竹美先生、金子竜太郎先生、小島千絵子先生、地下朱美先生、高田淳先生、田川智文先生、津村明男先生、津村和宏先生、富田和明先生、林幹先生、原美津子先生、藤本吉利先生、村山二朗先生、山中信人先生、横山亮介先生方の演奏、それに応援演奏に駆けつけて頂いた、「天邪鬼」渡辺洋一さま、「鷹」塚本鷹さま、スタッフの皆さま、裏方のみなさま有難うございました。
終演後には皆様さまが太鼓の片付けまでお手伝いくださった念のいれよう。皆さん、本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。響和館はまもなく閉館しますが、響和館をきっかけに太鼓の面白さに目覚めた人々も多く、ここで培った太鼓文化はこれからもこの地で発展していくことを確信しています。どうか太鼓の「熱」を忘れないでいてください。
最後に、15年間館長として運営と指導に奮闘した浅野町子に、心からの「お疲れ様」の言葉を贈ります。「よくやってくれたね!」
翌6日は静岡県の御殿場に向かい、「富岳太鼓」の公演へ。17の社会福祉施設を運営する社会福祉法人「富岳会」の関係者により結成された富岳太鼓は、今年で創立45年。富岳太鼓が実施する指導者認定をクリアーしたインストラクターを中心に構成するプロチームの「雷神組」と、富岳会の和太鼓療育活動で顕著な効果を表した、知的障がいのある方々で構成する「竜神組」、そして富岳太鼓が主催する太鼓教室のオーディションで選ばれた4歳から高校生までの子どもたちによる「風神組」で構成され、公演の規模は年々大きくなってきています。コロナにより、公演にお邪魔したのは3年振りですが、たくさんの演目の中で、今回はとくに「竜神組」の演奏に胸が熱くなりました。障害をもつメンバーの打つ太鼓は、まろやかな音が心を通り抜けていくような素直さに満ち、決して強くはない音圧が、じっくりと胸にしみるような心地でした。ここまで指導された山内剛理事長の熱意に頭がさがります。
舞台最後の演目は「疾風迅雷」。締太鼓、長胴、桶胴、大太鼓の音のバランスが絶妙で、打ち手たちのただ「太鼓を打ちたい!」という一筋の意志がしっかりと伝わってきました。まさに「太鼓を堪能した」3時間の公演でした。皆さん、お疲れ様でした。
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