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2024年8月28日

心に残る2枚の絵:「新聞配達人」と「鮭」

 台風が近づくこの季節、私たちは自然の力の前に少し立ち止まり、日々の生活を優しく見つめ直すことができます。そんな時、日経新聞の文化欄で目にした二枚の絵が、困難を乗り越える勇気と力を静かに与えてくれました。

笠木治郎吉画伯の「新聞配達人」2024年7月4日日経新聞朝刊掲載

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 笠木治郎吉画伯の「新聞配達人」は、郵便配達員が毎日の仕事に対して持つ強い意志と責任感を、力強く描いています。この絵からは、彼の体から発するエネルギーが伝わってきます。彼の姿勢、表情、そして一挙手一投足から、「お前たちも一生懸命に日々を大切に生きよう」というメッセージが聞こえてくるようです。この作品を通じて、私たちも日常の中での小さな努力を見直し、新たな価値を見出すきっかけになります。

 

高橋由一画伯の「鮭」2024年8月26日日経新聞朝刊掲載

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 一方、高橋由一画伯の「鮭」は、鮭の迫力ある生命力とその生きざまを、リアルに描き出しています。日本の狩野派の伝統的技法と西洋画法の融合により、深い感情と現実が見事に表現されています。この絵は言葉を持たずとも、私たちの内面に深く訴えかけ、生の現実と向き合う勇気を静かに与えてくれます。

 「新聞配達」と「鮭」の二つの作品は、私たちが日常で直面する挑戦や苦労を象徴しており、それを乗り越えるためのヒントや励ましを静かに提供してくれます。日経新聞の文化欄で紹介されたこれらの作品を通じて、私たちは自分自身と向き合い、心新たに日々を過ごす力を見つけることができるでしょう。

 台風の上陸が予想されます、皆様、十二分にお気をつけください。

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2024年8月 5日

炎天下の太鼓祭り

 

 7月下旬に富士山樹空の森で第37回「富士山太鼓祭り」が開催されました。この祭りは、大太鼓日本一決定戦や第13回全国高校生太鼓甲子園を通じて、日本の伝統文化である和太鼓の魅力を広く伝える場として、多くの観客を魅了しました。

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 思い返せば、太鼓が初めて舞台で演奏(公演)されるようになったのは1973年頃のことです。それから50年の歳月が流れ、太鼓の演奏スタイルは形を整えてきましたが、その基本的な演奏法は時代を超えて受け継がれています。1976年、モノクロールという手法によって太鼓は音楽としての深みを増し、「和太鼓」と西洋の「太鼓」が明確に区別されるようになりました。その時期の演奏は、単なるリズムや音の響きを超えて、太鼓を芸術として昇華させたのです。

 特に、ボストンシンフォニーホールでの演奏では、著名な指揮者である小澤征爾氏から「これは理屈ではなく、筋肉と心が一体となり、血が脈打っている。本物のリズムがここにある」と高く評価されました。

 このような賛辞を受けたことは、和太鼓の新たな可能性を示すものであり、その芸術性が世界に認められた瞬間でした。

 そして、当時の太鼓演奏者たちが稀に見る努力と研鑽によって生み出した、仏教的な「忘我」や圧倒的なパワー、そして伝統的な太鼓にはなかった音楽的な表現は、今でも大きな影響を与え続け、和太鼓の演奏に新たな命を吹き込んでいます。

 2024年の今日、演奏法や音に対するこだわりはもちろんのこと、視覚的な衣装や演奏者の肉体的な鍛錬が求められています。これらの課題に対して、一人ひとりが深い意識を持ち続けることで、和太鼓の響きはこれからも持続可能な文化としての命を繋いでいくことでしょう。

 

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