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2025年4月 4日

ふりかえれば

 

 3月には、当財団主催の桶バトルトーナメント、教室の発表会、そして日本太鼓財団主催のジュニアコンクール全国大会が大分で開催されました。ご参加いただいた皆様、お疲れ様でした。

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 これらの行事を通じて、改めて感じたのは、太鼓文化が今、大きな節目を迎えているということです。

 戦後の復興期から、地域のまつりや教育、舞台芸術の中で太鼓が広がりはじめて約60年。黎明期の情熱と努力によって、太鼓は多くの人々に親しまれ、文化として根づいてきました。

 そして今、その広がりの中で、それぞれの土地ならではの音や表現が、ますます大切になってきているように感じます。

 郷土色を大切にするチームの存在は、これからの太鼓文化において欠かせないものです。
なぜなら、各地の風土や歴史、暮らしの中で育まれてきた音には、その土地に根ざした“物語”があるからです。
それらが失われてしまうと、太鼓はどこでも同じ音を鳴らす“単なる演奏技術”へと変わってしまい、文化としての深みや豊かさが薄れていきます。

 すべてが同じような色に染まってしまえば、太鼓文化そのものが埋没してしまう。
それが、私の感じている危機感です。

 どうか、心温まる土地の音文化を、これからも大切に、そして丁寧に残していただけたらと思います。

 もちろん、優勝を目指すこともチームの目標として大切です。ですが、何よりもその土地への思いや誇りに満ちた太鼓の響きこそが、長く人の心に残るものだと信じています。

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